画像生成AIで「かっこいいメカやロボット」を生成する方法!メカ少女の作り方もあるよ【Stable Diffusion】

メカやロボットを生成しよう 画像生成AI

今回は画像生成AIを使ったイラスト表現の研究に関する話題で、タイトルの通り

Stable Diffusionでかっこいいメカ・ロボットを上手く生成するためのコツ

をご紹介するという内容になっています。

Stable Diffusionで色々な画像を生成していると、メカやロボットなどの複雑な人工物のイラストを生成したくなることがあります。しかし何も考えずにメカを生成すると、美少女イラストのときと同様に「なんかコレジャナイ」感たっぷりの画像が生成されることでしょう。つまりメカのイラストを上手く生成するためにもコツが必要になるのです。

そこでここでは錆臭いメカが大好きな私がその辺のコツについて研究した成果を書いていきます。ただ一口にメカと言っても色々なタイプがあると思いますので、ここでは

  1. メカメカしい巨大ロボ
  2. メカ少女

の2つのタイプのイラストの生成方法についてご紹介していきますね。

メカメカしい巨大ロボのイラストの作り方

まずは「これぞメカ」という感じの巨大ロボのイラストの作り方についてです。

巨大ロボのサンプルイラスト

はじめに私が今回ご紹介する方法を使って生成したサンプルイラストを掲載しておきます。

Stable Diffusionで生成した巨大ロボットのイラストの例1 Stable Diffusionで生成した巨大ロボットのイラストの例2

重厚感のあるカッコいいロボットが生成されました!上記は出来のよいものを厳選した結果なのですが、それでも全体的な平均点は高く「もうちょっとで合格なのに…」という惜しいイラストが多い印象でした。後述するようにメカ専用のモデルやLoRAを使っていないにもかかわらず巨大ロボを上手く生成できたのは驚きです。

巨大ロボを生成するためのコツ

では先ほどのような巨大ロボのイラストを上手く生成するためのコツを解説していきます。主なコツは次の2つです。

  1. モデルの選定方法
  2. 呪文のコツ

それぞれ詳しく見てきましょう。

モデルの選定方法

一つ目はモデル選定のコツです。メカイラストの生成においては、主に次の3通りのモデルの選び方があります。

  1. メカ用のモデルを使う
  2. 汎用モデルにメカ用LoRAを適用する
  3. 汎用モデルだけを使い、呪文を工夫する

まずメカ用のモデルを使う方法は、一応Hugging FaceやCivitaiなどを探せばそれっぽいモデルが見つかりますが執筆時点ではイマイチなものばかりであまりおすすめできません。そこでメカ用LoRAを使う方法か呪文を工夫する方法のどちらかを使ったほうがいいです。

メカ用LoRAを使う方法は手軽で効果も高いので第一におすすめできます。ただそちらを紹介するとこの記事が単なるLoRA紹介記事になってしまいますので、ここでは3番目の「普通のモデルを使って呪文を工夫する方法」を掘り下げます。

さてこの場合、モデルはメカ描写にある程度強いものを選定する必要があります。基準としてはSF風のイラストを生成して十分なクオリティを得られるものがいいと思います。例えば私が普段使っている「Counterfeit」というモデルは比較的メカ描写に強い美少女イラスト生成モデルなので、先ほどのサンプルではそのモデルを使いました(※本来は美少女イラスト用のモデルなのですが、今回メカ生成にも十分使えることが分かって驚きました)。

呪文のコツ

次にモデルを選んだらメカ用の呪文を使ってイラストを生成する必要があります。メカは美少女イラストと同様に呪文に使うキーワードが極めて重要です。そこで先ほどのサンプルイラストの1枚目の呪文を例にポイントを解説していきますね。

【プロンプト】
super fine concept art, extremely detailed, a heavy mech, hard surface, hawken, sci fi battlefield
【ネガティブプロンプト】
flat color, flat shading, nsfw, retro style, poor quality, bad face, bad fingers, bad anatomy, missing fingers, low res, blurry, head out of frame, cropped, signature, watermark, username, artist name, text, logo

ネガティブプロンプトは呪文のコツ記事とほぼ同じなので解説は省略します。重要なのはプロンプトのほうです。

上記のプロンプトで特に重要なキーワードは赤文字で示しています。再掲すると

  1. super fine concept art
  2. hard surface
  3. hawken

の3つです。

super fine concept art

一つ目のキーワードは「super fine concept art」です。メカの場合はイラストと指定するよりはコンセプトアートと指定したほうがクオリティが高くなる傾向にあります。ぜひ覚えておきましょう。

hard surface

二つ目の「hard surface」は3DCG用語で無機物や工業製品(のモデル)を指します。これを呪文に含めることでよりメカメカしいイラストを生成することができます。

hawken

最後に「hawken」というキーワードは、10年くらい前に流行した洋物ロボットFPSのことです(※ちなみに私の大好きなゲームです。なんと近日中に新作が出るそうで…ワクワク!)。Hawkenはコンセプトアートが出回っており、それが学習に使われているようなのでこのキーワードを入れるとクオリティの高い巨大ロボが生成されるというわけです。

なお試しに他のロボゲーのタイトルを入れてみたのですがイマイチで、渋い巨大ロボを出すにはhawkenが一番よく効く気がします。

メカ少女のイラストの作り方

さて次はかわいさとカッコよさを兼ね備えたメカ少女のイラストの作り方です。

メカ少女のサンプルイラスト

はじめに私が生成したメカ少女のサンプルイラストを掲載しておきます。

Stable Diffusionで生成したメカ少女のイラストの例1 Stable Diffusionで生成したメカ少女のイラストの例2

こちらもハイクオリティなイラストが生成されました。当たりを引く確率は巨大ロボよりも下がってしまいますが、それでもたまに驚くようなイラストが生成されるのが面白いですね。

メカ少女を生成するためのコツ

ではメカ少女を生成するためのコツを簡潔にご説明していきます。基本的にやり方は巨大ロボとほぼ同じで、違う点といえば呪文を少し変えるだけです。

モデルの選定方法

まず一応モデルについてご説明しておくと、こちらも専用のモデルやLoRAがあるのでそれを活用してもいいです。ただ結局はCounterfeitモデルでも十分な結果を得られたことから、サンプルでは専用モデルやLoRAは特に使わずに生成を行いました。

Counterfeitは元々美少女イラストの生成に長けているため、巨大ロボを生成できるならメカ少女だって余裕で生成できてしまいます。すごく便利なモデルです。

呪文のコツ

次に呪文についてですが、例えば2枚目のサンプルイラストの場合は次のような呪文を使っています。

【プロンプト】
super fine illustration, best quality, extremely detailed, a mech girl, full body, sci-fi battlefield, looking at viewer, hawken
【ネガティブプロンプト】
巨大ロボのものと同じ

コツ自体はそんなに変わらずシンプルなプロンプトで良い結果を得られています。メカ少女の場合のポイントは「mech girl」と明記しておくことくらいで、あとは巨大ロボと似たような感じにするか必要なキーワードを少し追加するくらいで十分だと思います。

おわりに

以上、画像生成AIでかっこいいメカやロボットを生成するためのコツについてご説明しました。

メカを上手く生成できるようになると表現の幅が広がりますし、メカ少女も好きなだけ生成できて眼福になること間違いなしでしょう。もちろん上記でご紹介したコツ以外にもまだまだ研究の余地があると思いますのでぜひ皆さんもご自身で研究してみてください。

この記事が何かしら参考になれば幸いです。