画像生成AIで「ホラー風のイラスト」を作る方法!ダークな雰囲気の画像を生成してみよう【Stable Diffusion】

ホラー風イラストの作り方 画像生成AI

今回は画像生成AIを使ったイラスト表現の研究に関する話題で、タイトルの通り

Stable Diffusionでホラー風のイラストを作る方法

をご紹介するという内容になっています。

画像生成AIで美少女イラストをたくさん作っていると、たまには少し違うテイストのイラストを生成したくなることがあります。そこで前回の記事では「AIっぽさを減らす」テクニックについてお話ししたのですが、今回はテクニックというよりは単純に他の方があまりやらなそうなジャンルの絵を生成してみようと思いました。

このような次第で私が目をつけたのがホラー風のちょっと怖いイラストです。画像生成AIでは意図せずホラーっぽい画像が生成されてしまうことがあるのですが、そういう偶発的なものではなくて真面目に怖い画像を生成したらどうなるんだろうと思ってチャレンジしてみることにしました。

ここではダークで怖い雰囲気のイラストを生成するコツを呪文つきでご紹介しますね。

【注意】
当ブログは全年齢向けなので、この記事では苦手な方が多そうな表現(血など)は使わないようにしました。しかし読者の方によっては

  • いや怖いよ…
  • え、もうちょっと過激でもいいんじゃないの

と意見が分かれるかもしれません。とりあえず怖いのが苦手な方は注意しながらスクロールしてください。また、怖い表現に飢えている方はご自身で納得のいく表現を探してみてください。

今回ご用意した「ちょっと怖いイラスト」のサンプル

はじめに、今回私が実際に生成したホラー風イラストは次のとおりです。

Stable Diffusionで生成したホラー風美少女イラストの例1

すごく不健康そうな女子高生ですね!描き込みはもちろん雰囲気にもこだわって生成しました。本当はもっと怖いイラストができており掲載したかったのですが、多くの方がご覧になるブログなのであまりにもホラーすぎるのはヤバいなと思い自重しました…。

ホラー風イラストを作るときに便利なもの

ではサンプルをご覧頂いたところで、上記のようなイラストの具体的な作り方をご説明していきます。まずはホラー風イラストを作るときに便利なモデル等についてです。

  • 厚塗り風の美少女イラスト生成モデル
  • flat LoRA

それぞれ詳しく見ていきましょう。

厚塗り風の美少女イラスト生成モデル

一つ目として、厚塗り風の美少女イラスト生成モデルがあると便利です。やはりホラー風のイラストは重厚感が大事なのでアニメ塗りよりは厚塗りのほうがよく似合います。

モデルは何でもいいのですが、先ほどのサンプルでは下記でご紹介している「Conterfeit V3.0」を使いました。

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flat LoRA

二つ目は最近話題になったflat LoRAです。

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これはウェイトをマイナスの値にすることでイラストにきめ細かなディテールを追加するLoRAモデルなのですが

  • 圧倒的なディテールを追加することで絵に重厚感を出すことができる
  • 「flat」モデル(※flat2のほうではない)は絵が黒っぽくなる副作用がありダークな絵に最適

という点でホラー風イラストを生成する際に大活躍します。

例えば先ほどのサンプルの場合、flat LoRAの有無を比較すると次のとおりです。

flatあり(再掲) flatなし
Stable Diffusionで生成したホラー風美少女イラストの例1 Stable Diffusionで生成したホラー風美少女イラストの例1(普通に生成した場合)

flatなしでも十分怖いと思いますが、やはりflatをマイナス適用したほうが断然怖いですよね!このように描き込みが増えて色調も暗くなると完成度が違います。

ホラー風イラストを作るための呪文のコツ

さて次はホラーなイラストを作るための呪文のコツについてです。今回のサンプルイラストでは次のような呪文を使いました。重要な部分は赤く示してあります。

【プロンプト】
<lora:flat:-1.2> masterpiece, best quality, 1 school girl, extremely detailed face and eyes, horror scene, very long black hair, school uniform, pale skin, dark night, stormy weather, looking at viewer, sad, upper body, black eyes
【ネガティブプロンプト】
flat color, flat shading, shadow, nsfw, retro style, poor quality, bad face, low res, blurry, head out of frame, cropped, signature, watermark, username, artist name, text

ネガティブプロンプトは呪文のコツ記事のものと大差ないので解説は省略します。重要なのはプロンプトのほうです。

まず「<lora:flat:-1.2>」はflat LoRAを適用するためのプロンプトで、ウェイトを-1よりも小さい値にすることで強度をさらに強くして描き込みと暗さを強化してあります。これが最大のポイントです。

それから「pale skin」で青白い肌、「stormy weather」で嵐のような天候を指定し、よりホラーっぽい雰囲気を醸し出すようにしました。ちなみに天候は「rainy weather」とすると高確率で傘が出現してしまい邪魔だったので嵐を採用することにしました。これで何回かガチャを回せばホラー風イラストの完成です。

おまけ:もっと怖いイラストにするためには…

最後に「もっと怖いイラストを生成したいなぁ」と思う方もいらっしゃるかもしれないのでヒントだけ掲載しておきます。

  • ホラーなキーワードを呪文に含める
  • ControlNetで怖いポーズを作る

まずは当たり前ですがホラーなキーワードをもっと呪文に盛り込むとよいでしょう。先ほどの呪文のサンプルのキーワード以外にもいいキーワードはたくさんあります。

それからもう一つ、ControlNetを使ってキャラクターに奇怪なポーズ(某映画みたいにブリッジとか)をとらせると恐ろしさが増す可能性大です。ControlNetについては下記の記事で詳しくご紹介していますのでそちらもご覧いただければと思います。

ポーズを指定して画像を生成できる「ControlNet」の使い方【Stable Diffusion web UI】
今回も画像生成AIに関する話題で、タイトルの通り ポーズや構図をきっちり指定して画像を生成できる「ControlNet」の使い方 を丁寧にご紹介するという内容になっています。 画像生成AIを使ってイラストを生成する際、ポーズや構図を決めると...

おわりに

以上、ちょっとダークなイラストの生成方法をご紹介しました。このように他の方があまりチャレンジしないようなジャンルのイラストを生成するのもとても楽しいので、ぜひ皆さんも試してみてください。

この記事が何かしらお役に立てば幸いです。