今回も画像生成AIに関する話題で、タイトルの通り
をご紹介するという内容になっています。
画像生成AIの代表格ともいえるStable Diffusionを動かすには主に
- Webサービスを使う
- クラウド環境にインストールして使う
- 自分のパソコン(=ローカル環境)にインストールして使う
という3種類のやり方があるのですが、このうち自分のパソコンにインストールして使うやり方が自由度が高く・無料でいくらでも画像を生成できるので一番オススメです。ただこのやり方はパソコンに一定以上の性能のグラフィックボードを搭載していることが前提なので、
- 自分のパソコンでも動かせるかな…
- グラボを新しく買いたいけど、どれを買えばいいのかよく分からないなぁ
と困ってしまう初心者の方は多いのではないでしょうか。
そこでここではAIで10000枚以上のイラストを生成してきた私が
- Stable Diffusionを快適に動かすためのグラフィックボードの選び方
- コスパが良いオススメのグラフィックボード
といった点について書いていきますね。
Stable Diffusionを快適に動かすためのグラボの選び方
では早速ですがStable Diffusionを快適に動かすためのグラフィックボードの選び方についてご説明します。ローカル環境でStable Diffusionをストレスなく動かすためには原則として下記の要件を満たしたグラフィックボードが必要です。
- 「GeForce RTX20」以降のモデルであること
- VRAM(ビデオメモリ)が最低でも4GB、できれば10GB以上あること
それぞれ詳しく説明しますね。
「GeForce RTX20」以降のモデルであること
まず、Stable DiffusionはNVIDIA製のグラフィックボード用に開発されているので基本的にはGeForceシリーズのグラボを選ぶようにしてください。
そしてGeForceなら何でもいいというわけでもなく、古いグラボだと正常に動作しないことがあるらしいのでRTX20シリーズ以降のモデルを選ぶのが無難です。もしお使いのパソコンに搭載されているグラボがGTXシリーズの場合は買い替えを検討したほうがよいでしょう。
なお執筆時点の最新版がRTX40シリーズですから、とりあえず最新または1世代前のRTX30シリーズまでのグラボを買えば問題ないということになります。参考になさってください。
VRAM(ビデオメモリ)が最低でも4GB、できれば10GB以上あること
次に、AIで画像を生成するためにはグラボのVRAM(=ビデオメモリ)容量が非常に重要になるため、できれば10GB以上のVRAMが搭載されているグラボを選びましょう。
Stable Diffusionは一応VRAMが4GB程度でも動かせるのですが、VRAM容量が少ないと機能が制限されたり高解像度の画像が作れなかったりするなどのデメリットがあります。つまり容量が多いに越したことはありません。当然ながらVRAMは後から増設できないので、予算が許す範囲でVRAM容量がなるべく大きいグラボを選ぶことをお勧めします。
「GeForce RTX3060 12GBモデル」がコスパが良くてオススメ
さてこれでStable Diffusionを動かすのに適したグラボの選び方を知って頂けたと思うのですが、GeForceシリーズのグラボって何種類もあるので初心者の方から見たらどれを選んだらいいのかがよく分からないですよね。
そこでオススメのグラボを一つ挙げると、執筆時点では
がStable Diffusionを動かすのに一番コスパが良くてオススメです。
オススメな理由:価格が安い割にVRAM容量が多い
ではなぜ私がこのモデルをオススメGPUとしてチョイスしたのか?という理由についてですが、これは価格の割にVRAM容量が多いからです。
まず価格を見てみると、だいたい5万円程度(※執筆時点)で買うことができます。グラボというと上位モデルでは十数万~数十万円するものも多いのでそれと比べるとお求めやすい価格ですね。
次に画像生成AIを動かすうえで非常に重要なVRAMの容量についてなのですが、下の表をご覧ください。
GPU | VRAM容量 (単位:GB) |
参考価格 (※あくまで目安) |
---|---|---|
RTX 4090 | 24 | 30万円 |
RTX 4080 | 16 | 20万円 |
RTX 4070 Ti | 12 | 13万円 |
RTX 4070 | 12 | 10万円 |
RTX 3090 Ti | 24 | 25万円 |
RTX 3090 | 24 | 22万円 |
RTX 3080 Ti | 12 | 18万円 |
RTX 3080 | 12 or 10 | 13万円 |
RTX 3070 Ti | 8 | 10万円 |
RTX 3070 | 8 | 8万円 |
RTX 3060 Ti | 8 | 6万円 |
RTX 3060 | 12 or 8 | 5万円 |
VRAM容量だけを見ればRTX3060は上位モデルのRTX3080と同じ容量を搭載していることになります(※まあVRAM自体の性能は違うようですが…)。執筆時点では3080の12GBモデルは安いものでも13万円程度と3060の2倍以上のお値段ですから、それを考えると3060はかなりお買い得ですね。
8GBモデルもあるので買い間違いに注意
なお余談として、RTX3060にはVRAMが8GBのモデルもあるので買い間違いに注意してください。どうせ買うなら12GBモデルのほうが絶対いいです。
おまけ:グラボを買い替えるときの注意点
さて最後に、ご存じの方も多いかもしれませんがグラボを買い替える際の注意点について念のためお話しておこうと思います。主な注意点は次の3点です。
- グラボのサイズ(ケースにきちんと収まるかどうか)
- 電源ユニットの容量(PCに搭載されている電源に余裕があるか)
- グラボの補助電源のコネクタ形状(グラボに必要な補助電源端子がPCにあるか)
まずグラボはかなりの大きさになるものもあるので、ご自身のPCのケースにきちんと収まるかどうかを予めしっかりと確認するようにしましょう。これを怠ると「あれっ、グラボがケースに入らないぞ!?」という残念な事態になりかねません(泣く泣くPCケースも買い替えるなんてことに…)。また寸法だけなく配線などの都合もありますので、その辺のシミュレーションもお忘れなく。
あとはお使いのPCの電源容量や、グラボ側の補助電源のコネクタ形状なんかも調べておくと安心です。電源の容量が足りないとPCが落ちる等のトラブルの原因になりますし、グラボに必要な補助電源のコネクタがないとグラボが動かない…なんてことになってしまいます。なので事前に電源ユニットをチェックしてこれから購入するグラボに合っているかどうかを確認しておきましょう。
いずれにしてもせっかく高価なグラボを買うわけですから、トラブルに見舞われないようにあらかじめしっかりと確認・検討しておくことが重要です。
おわりに
以上、Stable Diffusionを快適に動かすためのグラボの選び方について解説しました。
繰り返しになりますがAIで画像を生成するためにはグラボの性能が最も重要になるので、ご予算の範囲内でなるべく高性能なグラボを購入するのがよいと思います。グラボの性能が足りないな~という方や、もっと快適に美少女イラストを生成したいという方はぜひ上記の内容を買い替えの際の参考になさってください。
この記事が何かしら参考になれば幸いです。