今回は自作ゲームの販売・売り方に関する話題で、タイトルの通り
を一通り丁寧にまとめてみるという内容になっています。
ゲーム開発をしている方であれば「自作ゲームを売ってみたいなぁ」と思う方も多いと思うのですが、いざ販売しようと思っても
- 一体どのサイトでゲームを売ればいいんだろう?
- 自分のゲームは本当に売れるレベルなんだろうか…?ボコボコに叩かれるのは嫌だなぁ
といった疑問や不安がつきまといますよね。
そこでここでは、今までにSteam・DLsite・itch.ioといった有名なゲーム販売サイトで自作ゲームを売った経験のある私が自作ゲームの売り方について丁寧にご説明しますね。
ちなみに私はヒット作を出した人でもなんでもないので、この記事には「ゲームを売ってボロ儲けする方法」は書いてありません。あくまでも一般的なコツや注意点についてまとめた記事ですので勘違いなさらぬようお願いします。
はじめに:自作ゲームを売るのは割に合わない可能性が高い
自作ゲームは「売れないのが普通」です
まずはじめに、出鼻をくじくようなことを言うようで大変申し訳ないのですが自作ゲームはあなたが思うほど売れない可能性が高いです。
その理由は下記の記事で詳しくご紹介している通りで…
要約すると
- 自作ゲームは商業ゲームに比べてクオリティが低く、宣伝も不十分な場合がほとんど
- 素人が開発したゲームでわざわざ遊ぶようなプレイヤー(=お客さん)は少ない上に、同じように自作ゲームを売ろうとしているライバルは非常に多い
というような構図になっているからです。
つまり自作ゲームは売れないのが普通だという点はよくよく頭に入れておいてください(※たまにこのことを知らずに売って、売れませんでした~~!!ってブログやSNSで泣き叫ぶことになる哀れな人が毎年いるので注意してくださいね)。
それもゲームを売りたいなら…本気で取り組もう!
ただそれでも「自作ゲームを売りたい!」という鋼の意思がある方は、ぜひ下記でご説明するポイントを覚えて本気でゲームを売ることに取り組んでください。
ゲームを有料で売るには覚悟が必要です。なぜなら本気で取り組まないと、売れないかプレイヤーさんからボコボコに叩かれるかのどちらかの結果になってしまうからです。中途半端にやると絶対に後悔することになってしまいますので、気を引き締めて準備していきましょう。
自作ゲームを売るときのポイント・注意点まとめ
ではここからが本題で、自作ゲームを有料で売るときのポイントや注意点を一つずつ丁寧にまとめていきます。主な項目は次のとおりです。
- どの程度のクオリティならゲームを売ってもいいか?
- どの販売サイトでゲームを売ればいいか?各サイトの比較
- ゲームの価格設定について
- 自作ゲームの宣伝方法について
それぞれ詳しく見ていきましょう。
どの程度のクオリティならゲームを売ってもいいか?
まず、ゲームを有料販売するにあたって一番の不安は
という点だと思うのでその辺についてお話ししましょう。
これについては正直「ゲームのクオリティを定義する要素は多いのでそのゲームによる」のですが、あえて言うなら
- クオリティが低くても売る分には全く問題はないので売りたいならチャレンジしてもよい
- ただし、もしそのゲームがフリーゲームだと言われて納得するレベルなら300円以上の値段をつけるのは絶対にやめたほうがいい
と私は思います。
もしあなたのゲームがフリーゲームのレベルであっても人によってはお金を出してくれるかもしれないので売るなとは言いません。ただし相場的には「少し出来のいいフリーゲームと同じレベル」なら300円が限度であり、それ以上になると売れないか文句を言われるかのどちらかになるので注意したほうがいいでしょう。
自作ゲームを売りたい気持ちがあれば実際に売るのが一番であり、クオリティが低いから売ってはいけないなんてこともないのでどんどんチャレンジすればいいと思います。しかし、この後にも書くように売るなら価格設定はクオリティに見合うようにするべきです。そこだけはしっかりと頭に入れておいてください。
どの販売サイトでゲームを売ればいいか?各サイトの比較
お次はどのゲーム販売サイトで自作ゲームを売ればいいか?という点についてお話します。これに関してはそのゲームの内容次第であり「とりあえずここで売ればOK」とは言えないので、私が今まで実際にゲームを販売したことがあるサイトの比較を載せてみようと思います。
ここでご紹介する販売サイトは次の4つです。
- Steam
- DLsite
- itch.io
- BOOTH
Steam
まずは世界的に見ても最も有名なPCゲーム販売サイトであるSteamです。Steamは非常にユーザー数が多く、また世界的な市場であるためヒットすれば億万長者も狙える夢のあるプラットフォームだと言えます。
ただその反面
- 手数料が高い(※税金などを差し引いたあとの利益の30%が手数料として徴収される)
- 登録作業がめちゃくちゃ面倒くさい。正直ゲームを作るよりも面倒
- 「良いゲームを安く買う」ことを目的とした目の肥えたユーザーがほとんどなので生半可なゲームでは売れない
- 一日に何十本も新しいゲームが出てくる(=ライバルが多い)
といった特徴があり、開発者には手厳しい面もあります。なのでもしSteamでゲームを売るなら本気で作ったゲームだけにしておいたほうがよいでしょう。
なおSteamでゲームを売る際の手順や注意点は下記の記事に一通りまとめておきましたので、興味のある方は併せてご覧ください。
DLsite
次にDLsiteは国内最大級の同人ゲーム販売サイトです。全年齢向けのゲームもたくさん扱っていますが、基本的には大人向けのゲームが強い印象ですね。
ここはサークル登録やゲームの登録が比較的簡単で初心者向きなのですが、販売手数料が高いのがデメリットだといえます。700円未満のゲームはなんと売値の50%が手数料として差し引かれてしまうので儲けるには本数を稼ぐ必要があるでしょう。しかし既に書いた通りこのサイトでは大人向けゲームのほうが人気であり、全年齢向けだと売上本数が一桁なんてのはザラなので全年齢向けゲームを売りたい方は注意してください。
その一方で、大人向けゲームを作っている方にとっては親切で利便性が高いサイトだと思います。その場合は積極的に活用するとよいでしょう。
itch.io
三つ目は海外では有名なインディーゲーム投稿サイトのitch.ioです。このサイトは日本では無名もいいところですが、世界的に見るとゲームの投稿数は最大規模であり執筆時点で60万作品以上のゲームが投稿・販売されています。また一部を除き日本語にも対応済みです。
このサイトの良いところは色々あるのですが、特に
- 手数料が安い
- ゲームのページを自分好みにカスタマイズできる
といった点が他のサイトよりも優れています。ただし超巨大なサイトであるがゆえに販売したゲームが速攻で埋もれてしまうといったデメリットもあるので、他のサイトと併用するとよいでしょう。
なおitch.ioにゲームを投稿する方法については下記の記事にまとめてあるので、そちらも併せてご覧頂ければと思います。
BOOTH
最後に四つ目はpixivが運営する創作マーケットであるBOOTHです。ここはなんといっても手数料の安さが魅力的(執筆時点では商品価格×5.6%+22円)なのですが、ゲーム専門ではないサイトゆえにゲーム目当てのお客さんは少なく、商品までの導線もほぼないので無名作者のゲームだと全く売れません。
そのため宣伝力のある方が自作ゲームの販売所として利用するケースが多い印象です。あくまでも他のサイトと併用して使うのを前提としておくとよいかと思います。
ゲームの価格設定について
さて次は自作ゲームの価格設定、つまりいくらで売ればよいか?についてのお話です。
実はこの点については下記の記事で詳しく書いたのですが…
要約すると
- 自作ゲームの場合はせいぜい1000円が限度。それ以上の価格で売るならかなり厳しく見られる覚悟をしたほうがいい
- クオリティやボリュームに自信がなければ500円以下が無難
だと私は思います(詳しい理由は上の記事をご覧ください)。
それから個人開発だと疎かになりがちなのですが、ゲームを売るうえでは競合ゲームの価格を調べて相場を知るのが非常に重要です。ご自身のゲームのクオリティ・ボリュームを客観的に評価するだけでなく、似たようなゲームの価格も調べることで妥当な値段をつけやすくなるので必ず下調べをするようにしてください。
最悪なのはろくに下調べをせずに「クオリティに自信がないから安くしよう」とか「これだけ頑張って作ったんだから高くてもいいか」などと適当に値段を決めてしまうことです。せっかく作ったゲームですから、価格設定で間違えて不幸な結果を招かないように慎重に値段をつけるようにしましょう。
自作ゲームの宣伝方法について
最後は自作ゲームの宣伝方法についてです。たまに「ゲームはクオリティさえ高ければ売れるだろう」と甘く考えている人がいますが、ゲームを売るなら(クオリティを担保したうえで)宣伝もしっかりと行わなければなりません。なぜなら人は自分が知らないゲームを買うことはできないからです。
そこで宣伝方法が重要になるわけですが、残念ながら個人や少人数で作ったゲームの場合は予算が限られていることがほとんどで効果的に宣伝するのは難しいです。しかしゲーム系メディアにプレスリリースを送ると無料で記事を掲載してくれることがあり、大きな宣伝効果を期待できるのでこれを積極的に活用しましょう。
プレスリリースの具体的な書き方や送り方については下記の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧頂ければと思います。
おわりに
以上、自作ゲームの売り方について一通りまとめてみました。
正直なところ自作ゲームを売るのは勇気がいるし、アフターサポートなどもしっかりしないといけないので大変です。しかし本気で取り組んだ末に自分のゲームに大切なお金を払ってくれる方が現れるととても嬉しいですし、やりがいもあるのでゲーム開発をしているならぜひ一度は自作ゲームを売ってみてほしいと思います。
この記事がゲーム開発のお役に立てば幸いです。