今回は最近流行りの画像生成AIをゲーム開発に活用する方法に関する話題で、
をご紹介する内容となっています。
画像生成AIというと「Stable Diffusion」というAIが無料公開されたことを皮切りに一気に盛り上がりを見せるようになりました。この画像生成技術はものすごく革新的であり、今後様々な分野での活用や応用が期待されますが、そうは言っても
- 画像生成AIをゲーム開発に活用するのはまだちょっと難しくない?
- 話題になってるのは知ってるけど、インストール方法とか使い方がよく分からないなぁ
と思っている方も少なくないのではないでしょうか。
しかし実を言うと画像生成AIは現時点でもゲーム開発に十分活用できるのでぜひ使ってみて頂きたいんですよ。
そこでここでは
画像生成AI「Stable Diffusion」でゲーム用のテクスチャ素材を生成する方法
について詳しくご説明しますね。
画像生成AIをどうやってゲーム開発に活用するか?問題
まず、画像生成AIについては下記の記事で詳しくご紹介しています。
…で、ゲーム開発者の方であれば「さて、これをどうやってゲーム開発に活用すればいいんだろう?」と思うことでしょう。一見するとゲームに使えそうな画像とは程遠いものが生成されるように見えますからこの疑問はもっともなことです。
ただし、結論から言うと
- 2Dゲーム用の背景素材
- 3Dゲーム用のテクスチャ素材
の2種類あればかなり実用的なものを生成できます。
画像生成AIの得意・不得意について
画像生成AIをゲーム開発に活用するためには、まずその得意・不得意を知っておく必要があります。
まず画像生成AIが得意なものは次のとおりです。
- 風景のように「雰囲気」が伝わればよいもの
- 雑然としているがそれっぽいもの(SF風の構造物や架空の生物など)
- 人物や動物の顔
- 画風の指定(油絵風、イラスト風、ゴッホ風などなど)
逆に(執筆時点で)AIが不得意なものは次のとおりです。
- 人物の手など、正確さが必要だが複雑なもの
- マイナーで学習元となる画像が少ないもの
- 透過画像の生成(=背景なしの人物だけを生成するとか)
また、生成される画像にはランダム性があるので例えば「全く同じキャラクターのポーズ違いのイラストを作りたい」とかも(執筆時点のAIの特性上)難しいです。
これらを考慮すると、ゲーム開発用途としては
- その画像素材を単品で活用できる
- ゲームの中で注目度がそれほど高くない
ということが条件になります。そこで背景素材やテクスチャであればこれらの条件を満たすので十分使えるということになるというわけです。
そして色々試してみたところ、特にテクスチャ素材はAIとの相性が良いようなので下記ではテクスチャ素材の生成に絞ってご説明しますね。
Stable Diffusionでゲーム用のテクスチャ素材を生成する方法
さて前置きが長くなってしまいましたが、この辺でゲームに使えるテクスチャ素材を生成する方法をご紹介します。
前提:NMKD Stable Diffusion GUIのインストール
まず、前提として(当然ですが)Stable Diffusionをインストールしておく必要があります。ローカル環境への一番簡単なインストール方法については下記の記事で詳しくご紹介していますので、まだStable Diffusionをインストールしてないよ、という方は先にそちらをご覧ください。
必要な設定
NMKD Stable Diffusion GUIでテクスチャ素材を作る際には次の設定を行ってください。
- Resolutionを2の累乗の正方形にする(例:512×512)
- Generate Seamless(Tileable) Imagesにチェックを入れる(※必須)
テクスチャは繰り返して表示されるものなので、シームレスにしておくとつなぎ目が目立たずきれいな見た目になります。これで準備OKです。
プロンプト(=呪文)の例と生成される画像のサンプル
次に、テクスチャ画像を生成するには次のような呪文を使います。
とっても簡単ですね!○○の部分には欲しいテクスチャの質感を入れればOKです。例えば
という呪文を入れると次のようなテクスチャ素材が生成されます。
もう一つ例を挙げると
と入れると次のように石垣のテクスチャが生成されました。
執筆時点では、元々テクスチャとしてよくありそうな画像を生成させるときれいに仕上がるようです。逆に「sci-fi texture(SF風のテクスチャ)」などを指定してもあまりそれっぽいものは生成されませんでした。
おわりに
以上、画像生成AIであるStable Diffusionを使ってゲーム用のテクスチャ素材を生成する方法までを一通りご説明しました。
Stable Diffusionを使いこなせば無料でテクスチャ素材を作り放題なのでゲーム開発に活用するとかなり便利です。特に3Dゲームを作っている方はぜひ試してみてください。
この記事がゲーム開発のお役に立てば幸いです。