今回はゲーム開発全般に関するテクニック的な話題で
ゲームを少しでも簡単に作るためのコツ
を一通りまとめてみるという内容になっております。
私は今まで40作品近いゲームを自力で完成させてリリースしてきたのですが、その中でゲーム開発は本当に大変だなぁとしみじみ感じてきました。というのもゲーム開発はやるべきことが多く、特に個人でゲームを開発する場合は作業の大部分を一人でこなさないといけないのでべらぼうに手間暇がかかるからです。
しかしそうは言っても、やり方によってはゲームを比較的簡単に作ることができます。今回は具体的にどうしたら個人ゲーム開発の負担を軽減できるのか?という点について書いてみますね。
ゲームをラクして簡単に作るコツまとめ
では早速ですが、ゲーム開発の負担を減らすための方法は次のとおりです。意外と色々あります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
既存の素材・ツール(=アセット)を最大限活用する
まず一つ目は既存の素材・ツールを最大限活用することです。
個人開発の場合はゲーム開発に費やせる時間・労力はかなり限られているので既にある素材やツールを上手く使うことは重要です。使えるアセットはガンガン活用して手間暇を節約していきましょう!
ただし既成の素材に関しては他の開発者の方も使っていて目につくことが多く、プレイヤーさんからしたら「このキャラは他のゲームで見かけたな…」となるとさすがにゲンナリするかもしれません。そこで例えば
- 主人公キャラ
→自作または改造でオリジナリティを出す - モブキャラ
→既存の素材を少しだけ変更して使う
といった感じにするとよいと思います。要するに重要な部分には手を加えてオリジナリティを出し、それ以外は思い切って省力化してしまうということです。
こうすれば何でもかんでも自分で作る必要もなく、かといって既視感のある見た目のゲームになるということも防げるのでコスパがいいです。
ゲーム用素材の探し方
ちなみに素材の探し方について少しアドバイスしておくと、最近はゲーム開発が一般的になってきたこともあり頑張って探せば
- Unityアセットストア
- UEマーケットプレイス
- BOOTH
- itch.io
といったサイトに無料かつ質の高いゲーム用素材がゴロゴロしています。気になったアセット作者の方はフォローするなどして普段からチェックしておくとよいでしょう。
アセットを使うのは恥ずかしいことじゃない
あと余談になりますが、もしかしたらゲーム開発者の方の中には「アセットを使うのはなんか恥ずかしいな」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。まあクリエイター気質の方ほどそう思うのは無理はないでしょうし、巷にはアセットゲー(アセットフリップ)などと揶揄されるようなアセットまみれの低品質なゲームが溢れているので「アセット=悪」みたいな考えに陥ってしまう方がいても不思議ではないでしょう。
しかしアセットを使うこと自体は別に恥ずかしいことではありません。使うアセットが盗用品でもない限りは悪いことでも何でもありませんのでぜひ活用してください。ゲーム開発者として何よりも重要なのは楽しいゲームを作ることであり、自作ゲームを楽しくするための工夫が盛り込まれていればアセットが使われていても誰も気にしません。
できれば「2Dのアクション性が高いゲーム」を作る
次に二つ目のコツはできれば「2Dのアクション性が高いゲーム」を作ることです。
ゲームの開発難易度はゲームのジャンルによって大きく異なりますし、それに加えて3Dゲームの場合は難易度や必要な労力がケタ違いにアップしてしまいます。このことを考えると楽にゲームを作るためにはジャンル選びや表現方法の選定は重要です。
もしできるだけ簡単にゲームを作りたいのであれば
- 2Dアクションゲーム
- 2Dシューティングゲーム
あたりがオススメです。理由は。上記のような2Dかつアクション性の高いゲームは
- 開発に必要な機能がゲームエンジンに一通り搭載されていることが多い
- 複雑なシステムが必要ない
といった利点がありとても作りやすいからです。
特に2Dでも3Dでもどっちでもいいよという方や、ゲーム開発初心者の方は絶対2Dゲームを作ったほうがいいです。私の場合はFPSが好きなのでかなり無理をして3Dゲームを作っていますが、個人開発なら2Dのほうが成功しやすいと思うので無暗に3Dゲーム開発には手を出さず2Dゲーム開発で腕を磨くようにしてください。
リアルなゲームを作ろうとしない
三つ目はリアルなゲームを作ろうとしないことです。
リアルなゲームは素材を作ったり集めたりするのが大変なだけでなく、ゲームの挙動もリアルでないとと違和感が凄くなるので結果として作るのにとんでもなく手間がかかります。したがって個人開発の場合はリアル系のグラフィックは避けたほうがいいと思います。
逆にアニメ風などシンプルなグラフィックなら素材の設定を変更して統一感を出すのも簡単だし、多少リアルさに欠ける挙動だとしても大して気にならないのでとても楽です。個人開発ならアニメ風などシンプルなグラフィック一択でしょう。
ゆるい雰囲気のゲームにする
さて四つ目はゆるい雰囲気のゲーム(バカゲー含む)にすることです。
シリアスな雰囲気のゲームはストーリーなどを厳密に作らないといけないので大変ですが、ゆるい雰囲気のゲームなら多少おかしな部分があっても誰も気にしないため楽に作ることができます。プレイヤーさんからしても気軽にプレイできるのは嬉しいですし、開発も楽とあれば正直ゆるい雰囲気のゲームを作ることにはメリットしかないと思います。
また、そのような雰囲気のゲームはアニメ風のグラフィックとも相性がよく先ほど挙げたメリットも享受しやすいです。個人開発なら「アニメ風のゆるいゲーム」が作りやすくておすすめですね。
コンセプトを明確にする
五つ目はコンセプトを明確にしておくことです。
これは私も嫌と言うほど経験してきたのですが、ゲームのコンセプトが十分固まらないうちにゲームを作り始めると後になって
- あ、やっぱこういう風にした方がいいかな
- でもそれだと今までの作業が無駄になるなぁ…
という風にジレンマが生じてしまい、疲れるし手戻りで時間や労力が無駄になってしまう事態が発生しがちです。したがってゲームを作り始める前にゲームのコンセプトを明確にしておくことはとても重要だと私は思います。
ただ「これだ!」というコンセプトを予め決めるのはなかなか難しいですよね。そこでもしコンセプトが固まらない場合は、最初にそのゲームの「紹介文」を書いてみるとコンセプトの良しあしを判断できます。
例えば紹介文を書いていてグッとくるセールスポイントが3つくらいにまとまるコンセプトは私の経験上よいアイデアです。逆に全然セールスポイントが出てこなかったり、あまりにも多く出すぎたりする場合は悪いコンセプトだということになります。
このように最初に紹介文を書いてみるとゲームのコンセプトをチェックできるのでおすすめです。
細かい部分にこだわりすぎない
六つ目は細かい部分にこだわりすぎないことです。
ゲームを作っていると途中でどうでもいい細かい部分が気になってくることがよくあるのですが、そのような部分を作りこんでもたいてい何のプラスにもならず、結局自己満足になるだけか時間の無駄で終わってしまうことがあるため意識的にスルーすることが重要になります。
もちろん開発に余裕があれば細部を詰めるのもいいでしょう。しかし開発の途中で細かい部分に凝りだすとキリがないですし、何か大きな変更をしなければならないときに細部が吹っ飛んでしまうこともあります。なのでもし細部を詰めるとすれば一通り開発作業が終わった後にすべきだと思います。
とりあえず開発の途中では細かいことは後回しのマインドでやっていきたいですね。
自分の手に余る壮大なゲームを作ろうとしない
最後は自分の力量以上の壮大なゲームを作ろうとしないことです。
ゲームの構想段階や作り始めの段階は色々なアイデアが湧くように出てきますし、期待感からモチベーションも高く「今の自分なら壮大なゲームを作れそうだ!」と思い込みがちです。しかしこのような状態は危険で、仮に必要な作業を見積もったとすると自分の手に負えない状態になっていることが多いです。
つまり仮に意気込んでその壮大なゲームを作り始めたとしても、途中で膨大な作業量に圧倒されてしまい挫折する可能性が極めて高くなります。こんな状態ではゲームをラクして作るなんてのはまさに無理ゲーでしょう。
ではこのような事態を回避するためにどうすればいいか?自分の力量をある程度把握しておくことが重要だと私は思っています。なぜなら自分の力量が分かっていれば「このアイデアは実現できそうだ」とか「このアイデアは難しそうだな…」と冷静に判断できるようになるので、無謀なアイデアは却下することができゲーム開発を楽に進めることができるからです。要するにできもしないことをやろうとするから苦しむのであって、逆に自分のできる範囲でゲームを作りさえすればラクなのです。
とはいえ普通の開発では自分の力量を知ることは困難だと思います。そこでできればゲームジャムに参加してみることをお勧めします。
ゲームジャムとは短期間でゲームを作るイベントです。短い期間でお題に沿ったゲームを作るのはかなり挑戦的ですし、ゲームを完成させて提出すれば客観的な評価をもらえたりもするので自分の実力を知るにはもってこいです。ゲームジャムはunityroomやitch.io等のゲーム投稿サイトでよく開催されていますので、ぜひ一度は参加してみてください。
おわりに
以上、ゲーム開発を少しでも楽にするためのコツについて書いてみました。ゲーム開発はとにかく大変な創作活動ですが、ぜひ上記のコツを参考にしていただき、少しでもラクして楽しくゲームを作って頂ければと思います。
この記事がゲーム開発のお役に立てば幸いです。