今回も画像生成AIに関する話題で
をご紹介するという内容になっています。
Stable Diffusion系のモデルで美少女イラストを生成する場合は一般的にかなり長い呪文が必要となるのですが、そのような中で短い呪文で美少女を生成できると評判の「Anything」というモデルがあることを知ったので早速試してみました。
ここではこのAnythingについて
- 美少女イラストの生成例
- ダウンロードやインストールの方法
- 強みや弱点
といった点を書いていきますね。
Anythingモデルを使った美少女イラストの生成例
ではまずはイラストの生成サンプルを掲載します。前述のとおりAnythingモデルは短い呪文でハイクオリティな美少女イラストを生成できる点が特徴ということだったので、下記の記事
でご紹介した「クリスタルのお姫様」のプロンプトから
- 高品質な結果を得るためのキーワード(例:super fine illustration等)
- ネガティブプロンプト全て
を除いたプロンプトを使ってAnythingモデルで美少女イラストを生成してみました。
1 girl, look at viewer, cowboy shot, dynamic angle, beautiful detailed long crystal dress with many frills, dark background, there are many luminous crystals in background
結果として、なんとネガティブプロンプトを全く使用していないにもかかわらず良い感じの美少女イラストが生成されたことがわかります。これなら長ったらしい呪文をいちいち入力しなくても一定のクオリティになるのでとても便利です。
ちなみに、先ほどの記事でご紹介した呪文と同様に長いプロンプトを使った場合は次のような結果となりました。
プロンプトをしっかり記入するとさらにクオリティがアップし、神絵師にも負けないようなクオリティの美少女イラストに仕上がりました!
つまり結局プロンプトはきちんと記入したほうがいいということが分かったのですが、短いプロンプトでも十分な品質のイラストを生成できたのには驚きですね。
Anythingのダウンロード&導入方法
お次はAnythingモデルのダウンロードおよびStable Diffusion用ツールへの導入方法についてです。ここではHugging Faceでダウンロードできる「v4.5」と「v3.0」をご紹介します。
なお現在は最新の「Anything v5」がCivitaiにアップロードされています(※公式ページには大人向けのイラストが含まれるのでリンクはしません)。しかしややこしいことにv5のページでは
- v5はv3.0の正式な後継版である
- v4.5はv3.0とは別の人が作ったものである(つまり元の作者とは無関係の人が勝手に作ったバージョン)
という主張がなされており「v3/v5とv4.5は別物」だそうです。この記事では便宜上同じモデルとして扱っていますが、このモデルを使うなら上記のようないざこざがバックグラウンドにあることは少し知っておいた方がよいかもしれません。
ダウンロード先
Hugging Faceから無料でダウンロードできます。
Anything V4.5
後述するV3.0よりも新しいバージョンで旧バージョンとは別の人がアップロードしたものです。
リンク先ページの「Files and Versions」→「anything-v4.5.safetensors」と辿るとモデルファイルをダウンロードできます。ただしフル版は8GB近くあるので、軽量版が欲しい場合は「anything-v4.5-pruned.safetensors」を選んでください。
Anything V3.0
色々な派生モデルの元になっている、人気が高いバージョンです。
リンク先ページの「Files and Versions」→「anything-v3-full.safetensors」からモデルファイルをダウンロードすることができます。もし軽量版が欲しい場合は、「anything-v3-fp16-pruned.safetensors」を選びましょう。
導入方法
Stable Diffusion web UIの場合
まず「Stable Diffusion web UI」をお使いの場合は、モデルとVAEをそれぞれ次のフォルダに移動させます。
- モデル:webui\models\Stable-diffusion
- VAE:webui\models\VAE
あとは
- web UIの左上のドロップダウンメニューからモデルを選択
- 設定タブ→「Stable Diffusion」からVAEを選択
すればOKです。
NMKD Stable Diffusion GUIの場合
次に「NMKD Stable Diffusion GUI」の場合はまず下記フォルダ内にダウンロードしたモデルファイルを移動させます。
ただしv1.9.1現在はこのソフトではsafetensorsファイルをそのまま使えないので、モデルファイルの変換を行います。変換方法は下記の記事の最後のほうに書いておいたので参考にしてください。
変換できたら設定画面の「Stable Diffusion Model」をanythingに変更してください。
Anythingモデルの強み・弱点について
では最後にAnythingモデルの強みと弱点について簡単にご説明します。
強み
- 短い呪文(=クオリティアップのためのキーワードやネガティブプロンプトなし)でも一定以上のクオリティの美少女イラストを生成できる。もちろん、プロンプトをしっかりと打ち込むことでクオリティをさらにアップさせることも可能。
- 美少女だけでなく風景イラストに関しても、短い呪文でかなりのクオリティに仕上がる。
強みはとにかく「短い呪文でもハイクオリティなアニメ風イラストに仕上がる」点ですね。プロンプトは短い方が入力が楽ですし、すっきりして見やすいので良いことばかりです。これは他のモデルにはない強力な強みと言えるでしょう。
弱点
- 画風のバリエーションがあまりなく、似たような美少女イラストが生成されやすい
- 他のモデルと同様に手や指の描写が苦手
- 大人向けの表現はほぼ不可能
他のモデルと比較すると似たようなイラストが生成されやすい点が弱点だと思います。でも画風をそろえたい場合はこれは逆にメリットでもあるので、そこまで気になるようなことでもないかもしれません。
また、手や指の描写は他のモデルよりは多少マシですがそれでも崩れてしまうことが多いです。これはAIならではの弱点ですね。
おわりに
以上、短い呪文で美少女を生成できるAnythingモデルのご紹介でした。
Stable Diffusionでアニメ風イラストを生成できるモデルは色々と登場しているのですが、今回ご紹介したAnythingはその中でもかなり高性能でお勧めできるモデルだと思います。この機会にぜひお試しいただけたらと思います。
この記事が何かしら参考になれば幸いです。