今回は皆さん大好きChatGPTの使いこなし術に関する初心者向けの話題で、タイトルの通り
を一通りまとめてみるという内容になっています。
ChatGPTというと「質問すれば何でも答えてくれる」という印象があるかと思います。なので適当に質問してしまう方も多いと思うのですが、実は質問のしかたによって得られる回答の質が全く違ってくるということは案外知られていないのではないでしょうか。
そこでここでは、ChatGPTから最適な回答を得るための質問のコツを厳選してご紹介していきますね。
前提:どうして質問方法が重要なの?
ではさっそくコツをご紹介していきたいところですが、その前に
- そもそもなんでChatGPTを使うのに質問方法を工夫しなきゃいけないの?
- 適当に質問してもいい答えを返してくれるんじゃないの
と思っている方もいらっしゃるかもしれませんのでその辺について簡潔にご説明しておきます。
まずChatGPTへの質問方法を工夫したほうがいい理由は、一言でいうと
です。
例えばあなたが質問される側に立ったときのことを考えてみてください。普段料理をまったくしない友達に次の2通りの質問をされたとして、一体どちらのほうが具体的に答えやすいでしょうか?
- 料理の作り方を教えて。
- トマトソースを使った一番おすすめのパスタの作り方を教えて。
おそらくBのほうが答えやすいよという方のほうが多いことでしょう。Aの場合は質問が漠然としすぎていて即答するのが難しく、逆にこっちが「どういう料理がいい?」って質問したくなってきますよね。
このようなことを考えると、たとえ質問の相手がChatGPTであってもきちんと工夫して質問したほうがより具体的で的確な回答を得られるだろうなということが分かると思います。
ちなみに、このように質問文を工夫してAIから最適な回答を引き出すことを「プロンプトエンジニアリング」と言います。プロンプトエンジニアリングは今後AIを使いこなすうえでは欠かせないテクニックとなるので、今のうちに身につけておいた方がお得です。
ChatGPTのプロンプトのコツまとめ
ではここからが本題でChatGPTのプロンプトのコツを厳選してご紹介していきます。
- ChatGPTの立場を明確にする
- ChatGPTに最適な回答をするように促す
- データや条件を指示文から分離する
- 具体的に質問・指示する
- 出力例を明記して希望する形式の回答を得る
- 知らないことは「知らない」と言わせる
- ネット上の情報を参照させる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ChatGPTの立場を明確にする
まず一つ目のコツはChatGPTの立場を明確にすることです。例えば料理について尋ねる場合は、プロンプトの最初に
- あなたは一流の料理人として振舞ってください。
- あなたは三ツ星レストランの有名シェフです。
などと書いておくとより最適な回答を得られやすくなります。実際にパスタの作り方を尋ねてみると下記のような結果になりました。
普通に質問した場合
決して悪くはない回答です。作り方が端的にまとまっています。
ChatGPTの立場を明確にした場合
ChatGPTの立場を明確にして一流のシェフとして振舞ってもらうと、より高度で具体的なレシピを教えてくれました。
ChatGPTに最適な回答をするように促す
次に2つ目のコツはChatGPTに最適な回答をするように促すことです。例えばブログ記事のよさげなタイトルを考えてもらう場合は、普通に指示するよりも
という具合に「ベストな回答をしてね」と付け加えたほうが最適な回答を得られやすい傾向があります。実際に試してみたところ下記のような結果になりました。
さすがにこれだけだと回答の質が劇的によくなるわけではありませんが、どちらかといえばベストな回答を求めたほうが分かりやすいタイトル案を提案してくれるような気がします。おまじないとして書いておくのは十分ありですね。
データや条件を指示文から分離する
三つ目はデータや条件を指示文から分離することです。例えばChatGPTに文章の要約を頼むときは下記のようなプロンプトを書くとより正確に指示を解釈してもらうことができます。
次の文章を3行程度に要約してください。
###
ここに要約したい文章
###
プロンプトに何らかのデータや条件を含める場合は「###」または「“””」でそれを囲うことで、指示文とデータ・条件を分離することができます。これは目に見えて結果が良くなるテクニックというわけではないのですが、プロンプトをより正確に解釈してもらうためにも特に複雑な指示を出す場合はこのように書いたほうが効果的だと思います。
具体的に質問・指示する
お次は具体的に質問や指示をするという点も重要なコツです。曖昧なプロンプトだと無難な答えしか返ってこない場合があるので、書ける範囲でなるべく具体的なプロンプトを作るようにしてください。
例として「プレゼン資料の作成を依頼する社内向けビジネスメール」を提案してもらう場合を試してみましょう。
曖昧なプロンプトの場合
資料の作成を依頼するためのメールを書いてください。
まずはイマイチなプロンプトの場合です。わざと必要な情報の一部を抜いたプロンプトにしてあります。
悪くはないのですが無難すぎる回答が返ってきました。やはり情報量が少なすぎるプロンプトに対してはフワッとした回答が返ってくることが分かりますね。
具体的なプロンプトの場合
あなたはビジネスメールの達人として振舞ってください。私は今、他の部署の社員にプレゼン資料の作成を依頼しようと思っています。そこで社内向けの丁寧で簡潔な依頼メールの文章を提案してください。
具体的なプロンプトを使うとより具体的な回答が返ってきました。
出力例を明記して希望する形式の回答を得る
次に、もし回答の出力形式を指定したい場合は、そのことを明記するか出力例を書いておくとChatGPTが希望の形式で回答してくれます。
例えば
- 表形式にしてください
- 箇条書きで書いてください
と書いておけばだいたいその通りに出力してくれます。また、自作のフォーマットで回答してもらいたい場合は例えば下記のようなプロンプトを書けばその通りのフォーマットで回答してもらえます。
あなたは一流のゲーム開発者として振舞ってください。私は自作ゲームのメインキャラクターを考えようと思っています。そこで次の形式でキャラクター5人分のアイデアを提案してください。
###
キャラクター名
– 性別:
– 性格:
– 好きな食べ物:
– 必殺技:
###
知らないことは「知らない」と言わせる
さてChatGPTの重大な欠点として知ったかぶりをするというものがあります。そこで知らないことは「知らない」と言わせるようにしましょう。
例えば私が以前開発していてボツになったゲーム(つまりまだ世の中に存在しないゲーム)について尋ねると、普通に尋ねた場合は下記のように平然と知ったかぶりをしました。
そこで改めて別のチャットで
という一文をプロンプトを含めたところ、知ったかぶりをしなくなりました。
これは質問する側があまり詳しくない事柄についてChatGPTに尋ねる場合にとても効果的です。
ネット上の情報を参照させる
最後に、執筆時点ではChatGPTは2021年までの情報しか学習していないため最新情報について尋ねることはできません。しかしURLを提示するとその情報を元に回答してくれます。
ただし注意点としてこの方法はあまり精度がよくない様子です。上記の例は当ブログの画像生成AIの記事を要約させたものですが、「情報やデータを安定して広めるための方法を提供し…」などと見当違いなことを言っています。
試しにWikipediaなど他のサイトの記事について同様の検証を行っても似たような結果だったので、実用的な方法かと言われると微妙なところですね。あくまでもこういう手段もある…くらいに思っていただければと思います。
おわりに
以上、ChatGPTのプロンプトのコツをまとめてご紹介しました。
既に書いた通りChatGPTの回答の質はプロンプト次第で全く違ってきますので、ChatGPTを使いこなすならプロンプトを工夫する必要があります。ぜひ上記の内容を参考にしていただきChatGPTから上手く回答を引き出していただければと思います。
この記事が何かしらお役に立てば幸いです。