今回もStable Diffusionのテクニックに関する話題で、タイトルの通り
をご紹介するという内容になっています。
前回の記事で「集合絵を上手く生成する方法」をご紹介したのですが…
上の記事を書いた後に某所をチェックしたらもっと人数が多い「群衆イラスト」が話題になっていたので、私も膨大な数のキャラクターを出す方法を研究してみることにしました。ここではその研究成果について書いていきますね。
群衆イラストのサンプル
まずはじめに、私が実際に生成した群衆イラストのサンプルを掲載しておきます。
すごい人数ですよね!こういうイラストは人力で描くのは相当大変ですが、これを簡単に生成できる点はAIの大きな強みでしょう。なんかこういう風にAIだからこそ描けるイラストが発展していくといいなぁと思います。
群衆イラストを生成するための下準備
さて群衆イラストを生成するためには下準備が必要です。具体的には、冒頭でご紹介した「集合絵」の時とほぼ同じ準備をすればOKです。
ここでも同様に
- 拡張機能:Tiled Diffusion
- モデル:Anything v4.5
を使うものとします。まだ準備ができていない方は先に導入を済ませておいてください。
また、群衆の場合は細部が崩れてしまうことも多いので「EasyNegative」も導入しておくと安心です。詳しくは下記の記事をご覧ください。
群衆イラストを生成するための具体的なコツ
ではここから群衆イラストを生成するための具体的なコツをご紹介していきます。
Tiled Diffusionの設定
まずはTiled Diffusionの設定についてです。下のように設定を行ってください。
画像の幅・高さはとりあえず1024×512px程度でOKです(※理由は後述)。重要なのはLatentタイルの幅・高さ・重なり幅の3つで、例えば今の解像度の場合は
- タイル幅・高さ:48
- 重なり幅:24
くらいにしておくのがいいと思います。タイルサイズは大きすぎても小さすぎてもダメで、大きすぎると大群衆にならず・小さすぎると細部が潰れてしまいます。
使用する呪文
次は大群衆を出すために必要な呪文についてです。群衆を出す場合は呪文が非常に重要になるため必ずコツを覚えるようにしてください。
具体的には、例えばサンプルの4枚目の群衆イラストなら下記のような呪文を使います。
million+girls, group shot, festival, extremely detailed
【ネガティブプロンプト】
EasyNegative, flat color, flat shading, nsfw, retro style, poor quality, worst quality, bad face, bad fingers, bad anatomy, missing fingers, low res, cropped, signature, watermark, username, artist name, text, logo, blurry, fused body, man
プロンプトで一番重要なのが
- million+girls(million以外にも「99」等でも可)
- group shot
という2つのキーワードです。この2つがあることで適度に並んだ大群衆を生成することができるので覚えておきましょう。
なお「million+girls」は必ず「+」を使ってキーワードをくっつけてください。そうしないと効果がいまひとつになってしまいます。
その他の設定など
あと大群衆の場合、生成時のサンプラーは個人的に「DDIM」が一番かなと思いました。もちろんその辺の設定は好みにもよると思いますので他のサンプラーもお試しください。
具体的な生成手順
最後は上記の設定を使って群衆を出すための具体的な手順をご紹介します。主なステップは次の2つです。
- 小さい画像を試しに生成して構図を決める
- 構図が決まったらHires.fixで高解像度化する
まず、高精細な群衆イラストをいきなり出そうとすると非常に時間がかかってしまうためガチャを引くのがとても面倒になります。そこで最初に小さな画像を試しに生成して構図を決めましょう(※先ほどTiled Diffusionの設定で画像サイズを小さくしたのはこのためです)。
構図が決まったらあとはシードを固定し、Hires.fixで高解像度化すればOKです。先ほどのサンプルイラストでは下記のような設定で高解像度化を行いました。
アップスケーラーやノイズ除去強度はお好みで設定していただいて構いません。これで迫力のある大群衆のイラストを生成することができます。
おわりに
以上、圧倒的スケールの群衆イラストを生成する方法をご紹介しました。群衆イラストはAIならではのジャンルの一つで、生成できるようになるととても楽しいのでぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。
この記事が何かしらお役に立てば幸いです。