今回は「Unityでゲームを作るときのジャンル別の開発難易度」を紹介していく記事です。
私はここ5年くらいでUnityを使ってゲームを35本以上作ってきたのですが、Unityを使って色々なゲームを作っていて分かったことがあります。それは
ということです。つまりUnityで作りやすいジャンルもあれば、逆に作るのがとても大変なジャンルもあります。
そこでここでは私の経験をもとに「どのゲームジャンルがどれくらいの開発難易度なのか」について書いていきますね。
ゲームジャンルごとの開発難易度一覧
では早速ですがUnityで各ジャンルのゲームを作るときの難しさを一覧表で見てみましょう。
ゲームのジャンル | 開発難易度 |
---|---|
アクションゲーム | 2D:初級、3D:中級 |
2Dシューティングゲーム | 初級 |
FPS | 中級 |
パズルゲーム | 初級 |
ノベルゲーム | 中級 |
ホラーゲーム | 初級 |
RPG | 上級 |
- 注1:難易度の基準は個人的な主観によるものです。
- 注2:私が作ったことがあるジャンルのみ掲載しています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アクションゲーム:初級~中級
まずアクションゲームですが、
- 2Dアクション:初級レベル
- 3Dアクション:中級レベル
としました。このような難易度にした根拠は次の通りです。
- Unityには強力な物理演算機能があり、動きのあるゲームを作りやすい。中でも2Dアクションは物理演算を上手く使えばかなり簡単に作れるので初心者にお勧めできる。
- 一方で3Dアクションでは地形が複雑になりがちで、接地判定等の処理が格段に難しくなるので中級者向け。
基本的にアクションゲームでは物体同士の当たり判定が命です。そしてそこが開発の難しい部分でもあるのですが、Unityにはその辺の機能が一通りそろっているので一から自作する必要がありません。したがってUnityでアクションゲームを作るのは比較的簡単だと言えます。
2Dシューティングゲーム:初級
次に2Dシューティングゲームは「初級レベル」だと思います。理由はアクションゲームとほぼ同じで、こちらもやはり当たり判定の処理が肝になるからです。
ただしシューティングゲームの場合は大量の弾を出す場合があるので、その場合は処理を軽くするための最適化の知識が必要になるでしょう。したがって弾幕STG等を作る場合は一段難易度が上がると思います。
FPS:中級
お次はFPSです。FPSは3Dアクションゲームに近いので「中級レベル」としました。
ただしこの難易度はあくまでも
- シングルプレイ専用である
- 簡易的な敵AIでも良いゲームデザインである
という前提付きのものです。これがマルチプレイFPSだったり、高度な敵AIが必要になるFPSだったりすると間違いなく上級レベルになります。
ちなみにFPSの作り方については以下の記事で詳しく説明しているので、興味があればそちらも併せてご覧いただければと思います。
パズルゲーム:初級
パズルゲームは「初級レベル」だと思います(※ただし、パズルのロジックがシンプルで作りやすい場合に限る)。特に物理パズル系はアクションゲーム等と同様の理由によりUnityで作りやすいです。
ノベルゲーム:中級
ノベルゲームは「中級レベル」です。ノベルゲームのようなテキストベースのゲームは、例えば「必要な会話データをどうやって保存し・読み取りするか?」といったことを考えなければなりません。
しかしUnityには手軽にその辺を何とかしてくれる機能がないので自作するかアセットを使う必要があります。したがってノベルゲームは中級者向けのジャンルだといえます。
ホラーゲーム:初級
ホラーゲームは「初級レベル」としました。ホラーゲームは基本的に「プレイヤーをビビらせる演出」が重要なゲームであり、それ以外のゲームの作り方の部分はアクションゲーム等とあまり変わらない場合が多いので割と作りやすい部類だと思います。
なおホラーゲームの作り方については以下の記事で詳しく説明していますので、興味のある方は併せてご覧いただければと思います。
RPG:上級
最後にRPGですが、個人的にUnityでこのジャンルを作るのは「上級レベル」の技量が必要だと思います。理由は次のとおりです。
- RPGでは大量のステータスやフラグを管理する必要があるが、その辺の機能は標準では用意されていないので自作するかアセットを使うしかない。
- ノベルゲームのように会話処理も作る必要がある。
- ステータス画面・装備画面・戦闘画面などなど、画面ごとに挙動が異なるUIの処理をいくつも作らないといけないので面倒。
要するにUnityでRPGを作るのは面倒くさいし大変ってことです。個人的にUnityでRPGを作るくらいなら素直にツクールやウディタ等を使ったほうが良いのではないかと思います。
おわりに:Unityの得意不得意を知っておこう
以上、簡単ではありますがUnityで各ジャンルのゲームを作るときの難易度をご紹介しました。
Unityはどんなゲームでも作れる素晴らしいゲームエンジンなのですが、作るゲームのジャンルによって明らかに得意不得意がある点は知っておいた方が良いでしょう。ジャンルによってゲームエンジンを切り替えるのも一つの手だと思いますので参考にして頂ければと思います。