ゲームを作っていると、自分のゲームを幅広いプレイヤーに楽しんでもらえるように難易度選択機能をつけたくなる場合があります。
難易度選択といえばゲームの最初に
- イージー
- ノーマル
- ハード
といった選択肢から選ぶタイプが一番馴染みがあると思いますが、実はそれ以外にもいくつかやり方があるのはご存じでしょうか。
今回は難易度選択の種類とそれぞれのメリット・デメリットについて紹介していきますね。
難易度選択の方法の種類とそれぞれのメリット・デメリット
では早速ですが難易度選択の種類と、それぞれのメリットデメリットを見ていきましょう。私が知っている限りでは難易度選択のやり方には次の6種類があります。
- 難易度固定タイプ
- ゲーム開始時に選択するタイプ
- いつでも変更できるタイプ
- 難易度自体は固定だが、成長要素によって楽になるタイプ
- ゲームプレイに合わせて自動で変化するタイプ
- ゲームプレイ中にその都度プレイヤーが選ぶタイプ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
難易度固定タイプ
まず一つ目はそもそも難易度選択がないタイプです。難しめのゲームでよく見かけます。
メリット
- 開発者が最も意図した難易度で遊んでもらうことができる
- 開発の手間が少なくて済む
デメリット
- 難しすぎ・簡単すぎてつまらないと思われる可能性がかなり高くなるので、それを避けるためにはゲームバランスの調整を綿密に行う必要がある
個人的な意見
高難易度のゲームとの相性が良く、実装の手間もいらないので作るゲームによっては是非採用したい方式です。しかし難易度の調整がきかない=レベルが合わないプレイヤーが多くなる、ということなのでゲームバランスの調整をしっかりと行う必要があるでしょう。
ゲーム開始時に選択するタイプ
次に二つ目はお馴染みのゲーム開始時にだけ難易度を選択できるタイプです。
メリット
- 難易度固定タイプよりは幅広い人に楽しんでもらいやすくなる
デメリット
- 実際にやってみるまでどの難易度が自分に合っているかは分からない
- 一度選んだらそのゲーム中は変更できないので、結局難易度が合わなかったときにつまらないと思われてしまう可能性がある
- 人によっては簡単な難易度で遊ぶのを嫌う人もいる
- 選択できる難易度が増えるほど開発の手間がかかる
個人的な意見
一番オーソドックスな方法ではありますが、ポイントを整理してみるとデメリットの多さが目立ちます。他に良い方法がいくつもあるので、「他のゲームでも導入されているから」といった理由でこのやり方を盲目的に導入するのは避けたほうが良いかと思います。
いつでも変更できるタイプ
三つ目は設定画面などからいつでも難易度を変更できるタイプです。最近はRPG等でこのタイプのゲームが多い気がします。
メリット
- ゲーム開始時に選択するタイプよりも気軽に難易度を変更できるので、難易度のミスマッチを防止しやすい
デメリット
- 一度難易度を下げると再度難しくするのがためらわれる
- 簡単に難易度を下げられるので、難しい部分だけ難易度を下げられてしまう可能性がある
個人的な意見
かなりユーザーフレンドリーな方法なので個人的にはオススメのやり方です。しかし簡単に変更できる分、あっさり難易度を下げられてしまう可能もあります。何かプレイヤーの挑戦心を刺激するような工夫がほしいところです。
難易度自体は固定だが成長要素により楽になるタイプ
四つ目は難易度自体は固定だが、キャラクターの恒久的な成長等によって楽になるタイプです。これはローグライクゲームに多い印象ですね。
メリット
- やり込むほどできることが増えたりして楽になるので、やり込みの意欲を刺激しやすい
デメリット
- 必然的に最初のうちが一番難しいため、そのときに投げられてしまう可能性がある
- 慣れたら難しい難易度にする、といったことがやりづらい
個人的な意見
この方法は「やり込むのが前提のゲーム」との相性が良いと思います。ただし最初が難しく、またプレイ時間に比例して難易度が下がるため、中盤は面白いが序盤と終盤はつまらない…といった感じになりがちです。その辺は上手く工夫する必要があるでしょう。
ゲームプレイに合わせて自動で変化するタイプ
それから五つ目はゲームプレイに合わせて難易度が自動的に変化するタイプです。一部のシューティングゲームなどで見たことがあるような気がします。
メリット
- 上で紹介したどの方法よりもプレイヤーに適した難易度を提供しやすい
デメリット
- プレイヤーの力量は様々なので、何をしたらどの程度難易度が変化するか?を考えるのが難しい
個人的な意見
理想的な難易度変更の方法ですが調整が大変そうなのが玉にキズですね。もし実装するなら「難易度ポイント」的な隠し変数を用意して、ポイントが高くなるほど敵が強くなる…といった感じにすると比較的簡単に実現できると思います。
ゲームプレイ中にその都度プレイヤーが選ぶタイプ
最後に六つ目はゲームプレイ中に特定のタイミングでプレイヤーが好きに選ぶタイプです。例えば「分かれ道が2つあって左は簡単・右は難しいコース」といった場合が該当します。
メリット
- 実際にゲームで遊んでいる最中に選ぶので、難易度のミスマッチが発生しにくい
- より自然な形で難易度を選んでもらうことができる
- プレイヤーが自主的に難易度を選ぶので萎えにくい
- 実装が簡単
デメリット
- 難易度ごとの報酬がハッキリしていないとモヤモヤする
個人的な意見
私としてはこの方法が一番メリットが大きいように感じます。やはり実際に遊んで感触をつかんでから難易度を選べるとミスマッチが起きにくいですし、要所要所で自主的に難易度を選べると萎えるのを防ぐことができます。迷ったらとりあえずこの方式を採用する、くらいの気持ちでも良いと思うくらいお勧めです。
おわりに
以上、難易度選択の方式についてメリット・デメリットをご紹介しました。どのやり方を採用するかはゲームによりけりだと思いますので、ぜひ上記を参考にして最適な難易度選択の方法を決めて頂ければと思います。
この記事がゲーム開発のお役に立てば幸いです。