今回はゲーム開発における「絵作り」に関する話題で、タイトルの通り
をまとめてみるという内容になっています。
個人でゲーム開発をしていると、どうしてもゲームの見た目がショボくなってしまうという問題があります。以前グラフィックがショボいとゲームが売れないから何とか改善したほうがいい、というお話をしたのですが、そもそもこの問題の一番の原因は「絵作りのやり方が分からない」ことによるところが大きいのではないかと思っていて、具体的にどうすればいいのかを知りたい方も多いのではないかと思いました。
そこでここでは自作ゲームの見た目を良くするための具体的なコツをご紹介していきますね。
前提:見た目がよいゲームとはどんな特徴を持つゲームなのか
まずはじめに「見た目がよいゲーム(=グラフィックが優れているゲーム)」を作るからにはそれがどんな要件を満たすゲームなのかを知っておかないといけないので、その辺について整理しておきましょう。
これは個人的な意見ですが、見た目がよいとされるゲームは次の3つの特徴を併せ持っていると思います。
- 見やすく分かりやすいグラフィックである
- 統一感や独自性がある
- かわいい・かっこいいと思わせる要素がある
詳しい話は以下の記事に書いたのでここでは省略しますが…
端的に言えば
- 見やすいグラフィック→ゲームを快適に遊ぶために必要
- 統一感→グラフィックが洗練されているように見える
- かわいさ・かっこよさ→プレイヤーの意欲を刺激する
というわけです。これはもちろん私基準なので「もっと色々な基準があるのでは?」とか「これは違うでしょ」など他の意見があってもいいと思います。
ただ一つ強調しておきたいのは、ゲームのグラフィックというとよく「写実的でリアルなほうが優れている」と思われがちですが、私はそうは思わないということです。なぜなら写実性はあくまでもグラフィックの統一感を出すのに役立っているだけなので、見やすさやかわいさ・かっこよさとは別物だからです。つまり写実的なのにダサいゲームもありうるわけですから、その辺は盲目的にならないほうが良いかと思います。
ゲームの見た目を良くするためのコツ
さて前置きが長くなってしまいましたがここからが本題です。ゲームの見た目を良くするためのコツをまとめてみると次のようなものが挙げられます。
- デフォルトのグラフィック設定は使わない
- できるだけ同じ画風のイラスト・3Dモデルを使う
- できるだけ同じシェーダーを利用する
- ライティングにこだわる
- 敵キャラやアイテムなどを瞬時に表示・消去しない
- UIを瞬時に表示・消去しない
- UIを詰め込みすぎない
- 画面全体の振動・点滅はなるべく使わない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
デフォルトのグラフィック設定は使わない
まず最初にして最大のコツはデフォルトのグラフィック設定は使わないということです。
特にUnityの場合はデフォルトのグラフィックが非常にダサいですし、他のゲームエンジンでもデフォルトのままだとやはりダサい場合が多いのでまずは速攻で設定を変更しましょう。
ここで手を抜いてデフォルト設定のままにしてしまうと、ゲームに慣れたプレイヤーなら
- あ、この開発者はこのゲームエンジンを使ってるんだな
- それにしてもこれは手抜きすぎだろ…少しは手を加えろよ
と思ってしまうかもしれません。これではせっかくのやる気を削いでしまいますよね。なのでせめてグラフィックの設定くらいは自分で調整できるようになったほうがいいと思います。
できるだけ同じ画風のイラスト・3Dモデルを使う
次はかなり基本的なことですが、なるべく同じ画風のイラスト・3Dモデルを使ったほうがいいです。
特に既存のイラスト素材を使う場合は画風が揃わないと「寄せ集め」のような印象になってしまいよくないですよね。また3Dモデルの場合はシェーダー等で多少見た目の調整はできますが、やはりポリゴン数とかがあまりにも違うとチグハグになってしまうためそちらもなるべく同じ基準にそろえたほうがいいでしょう。
グラフィック関係の素材をそろえるなら同じ素材屋さんのものを使うのが鉄則ですね。
できるだけ同じシェーダーを利用する
お次は↑と似たような話で、3Dゲームを作るならできるだけ同じシェーダーを使ったほうがいいです。
3Dゲームの場合は使うシェーダーによって見た目が大きく変わるので、モデルごとにバラバラなシェーダーを使うよりもシェーダーを共通化したほうが統一感が出て安定します。
幸い今は色々な用途に使える汎用性の高いシェーダーが無料で手に入る(liltoon等)ので、そういったものを活用するとよいでしょう。
ライティングにこだわる
3Dゲームを作るならシェーダーと同じか、それ以上にライティングも重要です。ライティングは3Dゲームの見た目に直結するので、設定項目をよく理解してゲームごとに最適なライティングを設定する必要があります。
Unityで見栄えの良いライティングを生み出すコツは以下の記事で丁寧に解説していますので、Unityユーザーの方は併せてご覧頂ければと思います。
敵キャラやアイテムなどを瞬時に表示・消去しない
次は細かい部分ですが、敵キャラやアイテム等は瞬時に表示・消去しないでフェードさせる等のエフェクトをかけたほうがいいです。キャラクターとかが一瞬で消えたりしたらやっぱりダサいですからね…。面倒ですがエフェクトをかけましょう。
3Dゲームの場合はシェーダーの問題になるのでエフェクトをかけるのが面倒というか少し大変ですが、UnityであればShader Graphという機能を使って比較的簡単に出現・消去エフェクトを実装することができます。詳しい話は以下の記事でご紹介しているので併せてご覧頂ければと思います。
UIを瞬時に表示・消去しない
さてこちらも↑と同様の話で、UIの場合も瞬時に表示・消去しないのが鉄則です
UIの場合は特にパッと出現したり消えたりすると猛烈にダサいのでこれは気を付けたほうがいいです。最低限フェード処理くらいは行いましょう。
UIを詰め込みすぎない
それからUIといえば、同じ画面にUIパーツを詰め込みすぎないことも重要です。
ゲームを個人で作っているとUI画面の遷移処理を作るのが面倒くさくなり、同じ画面に大量の情報を詰め込みがちになってしまいますが、これは見やすさや操作性を損ねる結果になるのでよくありません。同じ画面には必要最低限のUIを配置し、関係性の薄いパーツは別の画面に配置して適宜切り替えられるようにしたほうがよいでしょう。
画面全体の振動・点滅はなるべく使わない
さて最後はグラフィックの質というよりはマナー的な部分なのですが、画面全体の振動・点滅はなるべく使わないほうがいいです。
これはなぜかというと、やはり画面全体を大きく揺らしたりチカチカ点滅させたりすると気分が悪くなる方が多いからです。ゲームを作っているとどうしても派手にやりたくなってしまう気持ちは分かりますが、プレイヤーの健康に悪影響を与えかねないのでそのようなエフェクトを使うのは避けるべきでしょう。
ただしこれは画面全体にエフェクトをかける場合の話であり、例えばキャラクター単位であれば多少振動させたり点滅させたりしても問題ない場合もあります。その辺はやりすぎない程度に調整してください。
おわりに
以上、ゲームの見た目を良くするためのコツを色々とご紹介しました。
ゲームの見た目やグラフィックの質はゲームのクオリティのみならず売り上げにも直結するのですが、個人開発だとなかなかそこまで手が回らない場合も多いかと思います。しかし上記のような点に気を付けて少し工夫するだけでも見た目が良くなると思うので、ぜひ参考にしていただければと思います。
この記事がゲーム開発のお役に立てば幸いです。