今回は自作ゲームの売り方・販売方法に関する話題で
自作ゲームをどのストアで販売したらいいか?
という点について各ストアの特徴の紹介や比較を行い、あなたの自作ゲームにぴったりの販売先を見つけられるようにするという内容になっております。
ゲーム開発ではまずフリーゲームを作って腕を磨き、そのあとで有料ゲームの開発・販売にチャレンジするという方が多いと思います。ただそのステップアップの段階で「いったいどのストアで自作ゲームを売ればいいんだろう??」と悩んでしまいますよね。
そこでここでは自作ゲームを販売できる代表的なストアをいくつかご紹介し、それぞれのメリット・デメリットを把握して比較を行っていただけるようにしていきますね。
自作ゲームを販売できる主なストア4つ
まずはじめに、代表的な自作ゲーム販売先は次の4つです。
- Steam
- DLsite
- itch.io
- BOOTH
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Steam
Steamは世界最大級のPCゲーム販売ストアです。世界中の熱心なゲーマーたちが日々愛用しているサイトゆえに常に活況で、ここでヒットすれば億万長者どころではないほど稼げる可能性があるため非常に夢のあるストアだと言えます。PCゲーム開発者なら一度はSteamで自作ゲームを販売してみたいなと思うことでしょう。
なおSteamで自作ゲームを販売するための具体的な方法については下記の記事でめちゃくちゃ詳しく解説していますので、そちらも併せてご覧いただければと思います。
Steamで自作ゲームを販売する場合のメリット・デメリット
メリット
- アメリカ・中国をはじめ全世界のPCゲーマーが集うため購買意欲の高いユーザーが非常に多い
- ゲームごとに専用の掲示板が用意されておりユーザーとのやり取りが簡単に行える
- 販売システムが非常によくできており割引やバンドル作成を簡単に行える
- ゲームのアップデート作業がとても楽(←地味だけど大きなメリットです)
- 大人向けゲームやAIを使ったゲームも販売可能
Steamは非常に優秀なストアでメリットはたくさんあるのですが、個人的には特に
- 購買意欲の高いユーザーが非常に多い
- ゲームのアップデート作業が楽
の2点を挙げておきたいです。
まずSteamは世界的なPCゲームストアなので、全世界のPCゲーマーたちが利用しておりユーザー数が非常に多く・そのうえで様々なタイプのユーザーがいるのが特徴です。
主なユーザー層はやりこめるゲームに飢えたコアゲーマーですが、ライトゲーマーやニッチなゲームを好むゲーマーなどもいるためリリースしたゲームはほぼ確実に誰かの目に留まります。他のストアだと「ページすら誰にも見てもらえない」という状況に陥ってしまうことはよくありますがSteamであれば(売れるかどうかは別としても)必ず誰かがストアページを訪れるのでその点は大きなメリットだと言えるでしょう。
また、Steamはゲームの販売・管理システムが非常に優秀なのも地味ながら大きなメリットです。例えばゲームのアップデート作業が楽だったり(=更新したファイルを配信するとSteamクライアントがユーザーにアップデートを促してくれる)、割引やバンドル作成などの販売促進機能を手軽に使えたりするのも便利です。
デメリット
- 開発者登録やゲーム登録がめちゃくちゃ大変。とにかくやることが多い
- ゲーム1本を登録するたびに15000円必要でしかも手数料が高い(=売上から税金を引いた後の3割を徴収される)
- 競争が非常に激しくその様相はまさに戦場。ショボいゲームは速攻で埋もれる
- 審査に時間がかかるうえに(最低数日は必要)、リリースまでに2回の審査を通す必要がある
- 海外の企業が運営しているのでサポートに問い合わせるときは英語でやり取りする必要あり
一方でSteamでの販売にはデメリットもあります。上のほうで紹介した参考記事をご覧いただければわかるのですが、例えば開発者登録やゲーム登録の作業でやることが多くとても大変だったり、手数料が高かったりします。
また、Steamはユーザー数が多い一方で販売されているゲームの数も非常に多く、さらに一日に数十本もの新作ゲームが登場するのでものすごく競争が激しいというデメリットがあります。ゆえにショボいゲームを販売しても速攻で埋もれて二度と日の目を見ることがありません。Steamでゲームを販売してみるとゲーム業界の厳しさがよくわかります…。
DLsite
DLsiteは国内最大級の同人ゲーム販売サイトです。全年齢向けのゲームも販売できますがメインは紳士向けのHなゲームで、その手のゲームを作っているならこのサイトを第一に活用すべきでしょう。
DLsiteで自作ゲームを販売する場合のメリット・デメリット
メリット
- (特に大人向けの)有料作品がメインのサイトなので購買意欲が高いユーザーが多い
- 作品登録のやり方が分かりやすく初心者でも安心
- サポートが丁寧。質問があれば親切に回答してもらえる
DLsiteのメリットは、有料作品メインのサイトなので購買意欲が高いユーザーが多い点です。他のストアとの違いとしてDLsiteでは頻繁にお得なクーポンが配られているので、ついつい余計に買い物したくなる仕組みになっています。
それから開発者としては作品登録のやり方がかなり分かりやすいのが大きなメリットでしょう。国内のストアなので販売に関して何かわからないこと・困ったことがあれば日本語でサポートを受けられるのも安心ですね。
デメリット
- 手数料が高い。特に安いゲームほど手数料の比率が高くなる
- 全年齢ゲームは人気がなく売れにくい。また、AIを使ったゲームは他のゲームとは隔離された場所で販売されるのでやっぱり売れにくい
- アップデートのたびに審査が必要で反映までしばらく待たされる
DLsiteのデメリットは手数料が高い点や、大人向けゲーム以外は不人気で売れにくい点が挙げられます。特に全年齢ゲームやAIを使ったゲームはあまり人気がなく、売上本数が1桁だとかそもそも1本も売れていないなんてゲームもザラです(※稀に大人向けゲーム以上に売れている全年齢ゲームもありますがプロレベルの作品ばかりです)。
itch.io
itch.ioは世界最大規模のインディーゲーム投稿サイトです。日本では無名もいいところですが、この記事の執筆時点ではなんと120万作品以上のゲームが投稿されており、世界的に見ればいかに有名で活況なサイトであるかがわかります。
itch.ioに自作ゲームを投稿する方法は下記の記事で詳しく解説しているので、そちらも併せてご覧ください。
itch.ioで自作ゲームを販売する場合のメリット・デメリット
メリット
- 自作ゲームを簡単に登録可能
- ゲームのページをある程度自由にデザインできる
- 手数料が安い…というか、なんと自分で手数料を変更できる(※デフォルトは10%)
- 大人向けのゲームやAIを使ったゲームも販売可能
itch.ioの最大の特徴はその手軽さにあります。アカウントを作れば誰でも簡単にゲームを登録することができ、必要があれば有料販売したり寄付を募ったりすることができます。有料販売の場合は最初の1本が売れさえすればそれ以降は審査なしでガンガンゲームを販売することが可能です。
またitchは手数料が安くデフォルトだと10%なのですが、この手数料はなんとユーザーが自分で変更することができるためそれ以下の手数料にすることも可能です(※ただし0%にしても決済手数料などは別途かかります)。
デメリット
- フリーゲーム目当てのユーザーがほとんどで購買意欲が低い
- 流れが非常に速いサイトなので、特に有料作品の場合はよほどの注目作でなければ速攻で埋もれる可能性が高い
- 1ファイルあたり1GBまでしかアップロードできないので重量級ゲームは投稿できない(ただし問い合わせれば制限を緩和してもらえるらしい)
- 日本人ユーザーはほとんどいない
- 海外サイトで運営が適当なので売上金の支払いが遅れることがある
一方でitch.ioのデメリットは何といってもフリーゲームがメインのサイトだという点でしょう。ユーザーのほとんどは面白いフリーゲームを探しに来ている点と、ものすごい勢いで新作ゲームが投稿されるという性質が相まって有料ゲームは事前によっぽど注目されていない限りなかなか売れません。
しかし逆に言えばitchで注目されて売れるようなゲームならSteamでも売れる可能性が高いです。まずはitchに投稿して反応を見てみる…という使い方をすると賢いかなと思います。
BOOTH
BOOTHはクリエイター向けの総合マーケットです。ここは上記3つとは違ってゲーム専用ではなくほかにも多種多様な創作物が販売されています。それゆえにゲーム目当てのユーザーは少ないですが、ほかのストアと併用すると便利です。
BOOTHで自作ゲームを売る場合のコツは下記の記事で詳しくご説明しています。
BOOTHで自作ゲームを販売する場合のメリット・デメリット
メリット
- 自作ゲームを簡単に登録・販売できる
- 手数料が比較的安い(ただし安く販売するほど手数料の比率は高くなる)
- BOOSTという金額上乗せの支援機能がある
BOOTHのメリットはitchと同様に審査なしで自作ゲームを簡単に登録・販売できる点です。登録作業は特に難しいこともないので誰でも手軽にゲームを売ることができます。
また、手数料に関しては最近値上げされましたがそれでも比較的安いといえます。ただしゲームを安く販売するほど手数料の比率が高くなる仕組みになっていますからその点は注意してください。
デメリット
- そもそもゲームを買いに来るユーザーがあまり多くない
- 容量制限がきつめで重量級のゲームはアップロードできない(1ファイル1GB・1アカウント全体で10GBまで)
BOOTHの一番のデメリットは何といってもゲーム専門のストアではない点です。ゆえにゲーム目当てのユーザーが少なく、PCゲーム自体もあまり人気がないジャンルなのでBOOTHだけで自作ゲームを販売するのはやめておいたほうがいいです。使うなら他のストアと併用したほうがいいでしょう。
各ストアの比較まとめ
さて上記の内容を踏まえて比較表を作ると下記のようになります。
| ストア | 購買意欲の高い ユーザーの多さ | 販売までの難易度 | 手数料の高さ |
|---|---|---|---|
| Steam | 非常に多い | めちゃくちゃ大変 (開発者登録・ゲーム登録がそれぞれ大変。リリースまでに2回の審査を通過する必要あり) | 高い (ゲーム1個を登録するのにまず15000円かかり、さらに税引き後の売上の3割を引かれる) |
| DLsite | 多い (ただし全年齢ゲーム・AIゲームを買う人は少ない) | 普通 (登録自体はやりやすい。リリースまでに審査あり) | 高い (安いゲームほど手数料の比率が高くなる) |
| itch.io | 少ない (ユーザー数は非常に多いが、フリゲ目当ての人がほとんど) | 簡単 (有料ゲームは最初の1本が売れればそれ以降は審査なし) | 安い (デフォルトは10%だが自分で任意に変更できる) |
| BOOTH | 少ない (そもそもゲームを買いに来る人があまりいない) | 簡単(審査なし) | 比較的安い (ただし安いゲームほど手数料の比率が高くなる) |
こういうゲームはこのストアで売れ!
では最後にここまでの内容をもとにして「こういうゲームはこのストアで売るといい」というまとめをしてみますね。
本気で作ったゲームを販売するならSteamが一番
まず、本気で作ったゲームを販売するならSteamが一番です。もし「自信作ができたから世界中の人にプレイしてもらいたい」と思っているならSteamでそのゲームを売ることをおすすめします。Steamはユーザー数が多いのでヒットすれば大きいですし、改善点などに関するフィードバックもたくさんもらえるでしょう。
逆に言えば中途半端なゲームを売るとか、ちょっと試しにゲームを売ってみたい場合にはSteamを使うべきではありません。というのも既に書いた通りSteamにゲーム1本を登録するには15000円もかかりますし、Steamユーザーは目利きゲーマーが多く生半可なゲームは見向きもされないので中途半端なゲームを売ると登録費用も回収できないなんてことになるからです(※これは誇張ではなく実際に返り討ちに遭う人が結構多いらしいです)。
大人向けのゲームを販売するならDLsiteが王道
大人向けのゲームを販売するならDLsiteが一番おすすめです。…これに関してはとくに説明する必要もないと思います。
ちなみにDLsiteで売れるとわかったらSteamに進出するのがよくある出世コースですね。ただしDLsiteとSteamでは表現の審査基準が違うのでその点には注意したほうがいいです。例えば子供っぽいキャラに対してHなことやグロいことをするゲームはSteamでBANされる可能性が非常に高くて危険ですから気を付けてください(Steamは子供を不当に扱うゲームにものすごく厳しいです)。
とにかく気軽に有料販売したいならitch.ioかBOOTH
さて最後に、とにかく気軽に自作ゲームを販売したいならitch.ioかBOOTHを使ってください。多言語対応できるならitch、日本語だけしか対応できないならBOOTHがおすすめです。
この2つのストアでゲームを販売した場合は売上はあまり期待できないかもしれませんが、「実際に有料ゲームを販売するとどうなるか?」という経験を積んだり、「どうやったら売れそうか?」と試行錯誤してみたりすることで確実にレベルアップすることができます。
いきなりSteamやDLsiteで自作ゲームを売るのは怖いな…という方はまずはitchかBOOTHで練習してみるといいでしょう。
おわりに
以上、自作ゲームを販売できるストアの紹介とそれぞれのメリット・デメリットのまとめなどをしてみました。
同じゲームでも販売するストアによって売れ行きが全然違うのは珍しくないので、闇雲に販売するのではなくストアごとの特徴をよく調べたうえでご自身のゲームに合った場所で販売するのが一番賢いのではないかなと思います。ぜひ上記の内容をストア選びの参考にして頂ければと思います。
この記事がゲーム開発のお役に立てば幸いです。







