主なゲームエンジン・ゲーム制作ツールの比較・紹介まとめ!自分にぴったりのゲーム開発ソフトを見つけよう

ゲーム開発ソフト 比較まとめ ゲーム開発

今回はゲームエンジンやゲーム制作ツールに関する話題で

主なゲーム開発ソフトの比較・それぞれの特徴の紹介

をしていくという内容になっております。

私はこの記事の執筆時点で7年ほどゲーム開発を続けており、今まで2D/3Dを問わず様々なジャンルのゲームを40作品近く個人で開発しリリースしてきました。その中で私は主にUnityとウディタを使ってきたのですが、その他にも色々なゲームエンジンやゲーム制作ツールを試してきたのでそろそろ今まで使ったソフトの比較をまとめて記事にしてもいいんじゃないかなと思いました。

そこでここでは私が実際に使ったことがあるゲーム開発ソフト6種類について、それぞれの特徴のご紹介や簡単な比較を行ってみようと思います。

今回ご紹介するゲーム開発ソフトについて

まずはじめに、今回ご紹介するゲーム開発用ソフト(ゲームエンジンやゲーム制作ツール)は次のとおりです。

  • Unity
  • Unreal Engine
  • Godot Engine
  • WOLF RPGエディター(通称ウディタ)
  • RPGツクールMZ
  • ティラノビルダー

ゲーム開発ソフトは探せばたくさんありますが、当然ながらここでは私が実際に使ったことのあるものだけを取り上げることにします。

主なゲームエンジン・ゲーム制作ツールの比較早見表

では早速ですが↑で挙げたゲーム開発ソフトの比較早見表を掲載します。

ソフト名価格主に作れるジャンル習得難易度開発に必要なPCスペック日本語情報の多さこんな方にオススメ
Unity条件付きで無料2D/3D問わず何でも中級者向け多い幅広く何でも作りたい人
Unreal Engine条件付きで無料同上中級者向けまあまあ3Dゲームを作りたい人
Godot Engine無料同上中級者向け少ない幅広く何でも作りたい人
WOLF RPGエディター通常版は無料・プロ版は5000円2Dゲームなら何でも初心者向けまあまあ柔軟に2Dゲームを作りたい人
RPGツクールMZ8778円RPG初心者向け多い手軽にRPGを作りたい人
ティラノビルダースタンダード版は無料・PRO版は1480円ビジュアルノベル初心者向けまあまあ手軽にノベルゲームを作りたい人

各ソフトの詳しい解説はこの後行いますので、まずはどれが自分に一番合っていそうかな?という点を考えてみてください。

各ゲームエンジン・ゲーム制作ツールの特徴まとめ

Unity

Unityの基本情報

Unity Technologies社が開発しているプロ仕様の汎用ゲームエンジン。2D/3Dを問わずどんなゲームでも作れるのが魅力で、特に個人開発ゲームやスマホゲームでの採用事例が多いです。

価格は条件付きで無料です。その条件は「過去12か月の収益が20万ドル未満であること」なので個人開発者のほとんどは無料で使えます。収益がそれ以上の場合は有料のProプランへの加入が必要です。

主な特徴・優れている点

  • 汎用性が高く2D/3Dを問わずどんなゲームでも作れる(…が、強いて言うなら特にアクションゲームに強い)
  • 日本語の情報が多い(ただし公式ドキュメントは翻訳が遅く英語のままのページが多い)
  • 便利で覚えやすいC#言語を使って開発できる
  • PC・スマホ・ゲーム機・VR機器など様々な端末向けのゲームを作れる
  • 無料・有料問わずアセットが豊富にある
  • 有志が運営するUnity専用のゲーム投稿サイトがあるので公開場所に困らない

Unityの特徴は汎用性の高さと日本語の情報の多さです。この両者がそろったゲーム開発ソフトはほかになかなかなく、それがUnityが多くの個人開発者に選ばれる一番の理由となっています。

気になる点

  • グラフィックの描画方式が3種類もありそれぞれ互換性がないのでややこしい
  • 基本的にテンプレートのようなものはないので一から自分でゲームを作るか、テンプレートアセットを買う必要がある
  • 標準機能にデータベース的なものがないのでRPGのようにデータをたくさん扱うゲームは作るのが大変
  • 標準のセーブ機能がゴミ
  • Unity社の方針がブレブレで今後が心配

一方でUnityの気になる点は色々あるのですが、一番気になるのは現状グラフィックの描画方式が3種類もありしかもそれぞれ互換性がない点です。これのせいで開発がややこしいことになる場合がありかなり迷惑しています(※将来的には一本化されるかも?という話がありますがいつになるか不明)。

また、個人的なことを言うとUnity自体は好きなのですがUnity社は嫌いです。Unity社は方針がブレブレでトンチンカンなことをやって炎上するなどの前科があり今後が非常に不安視されています。いちユーザーとしては「頼むからUnityをダメにしないでくれ~!」と日々祈るばかりです。

こんな方にオススメ

  • 2D/3Dゲームを問わず色々なゲームを作りたい方
  • 日本語の情報が多いプロ仕様のゲームエンジンを使いたい方

Unreal Engine

Unreal Engineの基本情報

「フォートナイト」等で有名なEpic Games社が開発しているプロ仕様の汎用ゲームエンジン。こちらも何でも作れますが特に写実的な3Dゲームに強く、そのようなゲームを作るなら現状最強と言っても差支えない機能を持っています。日本では個人で使っている方はまだあまり多くない一方、企業での採用事例はかなり増えているようで自社エンジンからの乗り換えを進めているところもあるとか。

価格は条件付きで無料です。その条件とは個人開発なら「年間総収益が100万ドル未満であること」なので、まあ実質無料で使えるといっていいでしょう。

主な特徴・優れている点

  • 3Dゲーム向けの強力な機能を搭載
  • 特に写実的な3Dアクション・3Dシューティングに強い
  • プログラミングができなくてもゲームを作れる
  • ゲームのテンプレートがいくつか用意されており、それを使えばプロジェクトを作った時点で既に動くゲームになっている
  • PC・スマホ・ゲーム機・VR機器など様々な端末向けのゲームを作れる

Unreal Engineの特徴は何といっても3Dゲーム向けの機能が強力という点が挙げられるでしょう。また、「ブループリント」という機能が優秀でそれを使えばプログラミングができなくても高度なゲームを作ることが可能です。

気になる点

  • 開発に必要なPCスペックが高い(動作が重いしソフト自体のサイズがデカすぎる)
  • 一応2Dゲームやスマホ向けゲームも作れるが、UEでそういうゲームを作っている人をあまり見たことがない
  • ガチ開発しようとすると難解なC++言語の知識が必要

一方で気になる点としては開発に必要なPCのスペックが高いことなどが挙げられます。たぶんゲーミング仕様のPCでなければ動作が重くなってかなり作業しづらくなると思います。

こんな方にオススメ

写実的な3Dゲーム(特にアクションゲームやFPS/TPSなど)を作りたい方

Godot Engine

Godot Engineの基本情報

Godot Engine(※ゴドーエンジンと読みます)は有志の開発チームが作っている完全無料のゲームエンジンです。2Dゲームの開発に強いですが3Dゲームも作ることが可能で様々なジャンルのゲームが作られています。

主な特徴・優れている点

  • 汎用性が高くどんなゲームでも作れる(2Dに強いが3Dも作れる)
  • 完全無料
  • 動作が軽い
  • PC・スマホ・ブラウザ向けゲームを開発可能

Godotの特徴は汎用性の高さと動作の軽さ・そして完全無料で使える点です。先ほどの2つのエンジンと比較するとシンプルで圧倒的に軽いエンジンなので、重量級のエンジンには手を出しづらいなと思っている方にお勧めできます。

気になる点

  • 日本語の情報がかなり少ない
  • 一応複数のプログラミング言語が使えるが、独自のプログラミング言語(GDScript)を覚えたほうが便利

一方で気になる点としては日本語の情報が少ない点がまず挙げられます。また、複数のプログラミング言語に対応していますがGDScriptという独自言語を覚えたほうが便利なので、結局それを覚えて使うことになる点がやや面倒に感じられるかもしれません。

こんな方にオススメ

よりシンプルで軽量な汎用ゲームエンジンをお求めの方

WOLF RPGエディター

WOLF RPGエディターの基本情報

WOLF RPGエディター(通称ウディタ)はSmokingWOLF氏が個人で開発している2Dゲーム制作ツールです。「RPGエディター」と言いつつ2Dゲームなら何でも作れる汎用性の高さを持ち、それでいてプログラミングができなくてもゲームを作れるというまさに美味しいとこ取りな特徴を持つのが最大の魅力です。

2種類のエディションがあり、通常版は無料・追加機能があるプロ版は5000円となっています。

主な特徴・優れている点

  • 「RPGエディター」と言いつつ2Dゲームなら何でも作れる汎用性がある
  • プログラミングができなくても柔軟にゲームを作れる
  • 「コモンイベント」を導入・作成することで機能の拡張が可能
  • データベース機能がついておりデータをたくさん使うゲームでも簡単に制作可能
  • 後方互換性があり、相当昔のプロジェクトも新しいバージョンで開ける

ウディタの特徴は2Dならどんなゲームでも作れるという汎用性にあります。「コモンイベント」と呼ばれる機能が優秀で、プログラミングができなくても専用のコマンドをマウスでポチポチと入力していくだけで柔軟に独自機能を作ることができます。

気になる点

  • 初心者にはややとっつきづらい印象がある
  • 使い方などの情報がそれほど多くない
  • 原則Windows用ゲームしか作れない
  • マップチップなどの素材が少ない
  • プロ版が高い

ウディタの気になる点としては、比較的汎用性が高いがゆえにツクール等の特化型ツールと比較すると初心者の方には使いづらいかもしれない点が挙げられます。また、原則としてWindows用ゲームしか作れないのでスマホゲームやブラウザゲームを作りたい方は別のソフトを使いましょう。

こんな方にオススメ

プログラミング言語を覚えるのは面倒だが柔軟にゲームを作りたい方

RPGツクールMZ

RPGツクールMZの基本情報

RPGツクールMZは、KADOKAWA系の企業であるGotcha Gotcha Gamesが開発した2DRPG制作ツールです。

2DRPGの制作に特化しておりゲーム開発が初めての方でも簡単にRPGを作り始めることができるのが特徴です。また、初心者向けのツールではありますがJavascriptの知識がある方であれば自由に機能を拡張することもできるため、RPGを作るなら中級者以上の方にもおすすめできます。

価格は8778円です。

主な特徴・優れている点

  • プログラミングができなくても簡単にRPGを作ることができる
  • 「プラグイン」を導入・制作することで機能の拡張が可能
  • キャラクター画像を簡単に作れるツールが付属している
  • 使い方の情報が多い
  • PC向けだけでなくスマホやブラウザ向けゲームを作れる
  • 有料・無料問わず素材が豊富

RPGツクールMZの特徴は通常作るのが難しいRPGを誰でも簡単に作れる点にあります。デフォルトでもRPGとして一通りの機能を備えているほか、「プラグイン」と呼ばれるJavascriptのファイルを導入すれば手軽に機能の拡張を行うこともできます。

気になる点

  • 実はRPG以外のゲームも作れるがプログラミングの知識が必要。ウディタのようにプログラミングなしで凝ったことをするのは難しい
  • 定価が高い

ツクールMZはRPGに特化していることもあり、凝ったことをしようとするとJavascriptの知識が必要になる点が気になる点として挙げられます。あと定価が高いのでセールのときに買いましょう。

こんな方にオススメ

とにかくRPGの制作にチャレンジしてみたい方

ティラノビルダー

ティラノビルダーの基本情報

ティラノビルダーはシケモクMK氏が開発したノベルゲーム制作ツールです。ノベルゲームの制作に特化しており初心者の方でも難しいこと抜きで手軽にノベルゲームを作れるのが最大の魅力となっています。

2種類のエディションがあり、スタンダード版は無料・機能制限なしのPRO版は1480円となっています。

主な特徴・優れている点

  • プログラミングが全くできなくても簡単にノベルゲームを作れる
  • PC向けだけでなくスマホやブラウザ向けゲームを作れる

ティラノビルダーの特徴はプログラミングなしで簡単にノベルゲームを作れることです。機能がノベルゲームに特化している分使い方がとてもわかりやすく、ゲーム開発初心者の方でもすぐにノベルゲームを作れる点は大きな魅力でしょう。

気になる点

  • まともにゲームを作るならPRO版を買う必要がある
  • 柔軟にゲームを作るなら姉妹ツールの「ティラノスクリプト」を使ったほうがいい
  • 2022年を最後に更新がない

一方気になる点としては、スタンダード版は機能制限がキツめなのでまともにゲームを作るなら結局PRO版を買ったほうがいいということです。あと凝ったことをしようとすると難しかったり無理だったりするのでその場合は姉妹ツールのティラノスクリプトを使ったほうがいいです。

こんな方にオススメ

ゲーム開発初心者でノベルゲームを作ってみたい方

ゲーム開発ソフトの選び方のコツ

さて主要なゲーム開発ソフトを一通りご紹介したところで、どのゲーム開発ソフトを選んだらいいのか?というコツについて簡単にご説明しておきます。

ゲーム開発初心者なら「特化型ツール」がオススメ

まず、ゲーム開発初心者の方であればツクールやティラノビルダーのような特化型ツールが一番オススメです。このようなツールは作れるゲームのジャンルこそ限定されていますが、その分機能がシンプルで分かりやすくゲーム開発を進めやすいというメリットがあります。

そもそもゲーム開発はやることが多くて非常に大変ですから、初心者のうちはゲーム開発に慣れること・ゲームを完成させてリリースまで持っていくことの2点が重要です。それを考えると特化型ツールは予めレールが敷かれている状態であり開発を進めやすいので初心者の方には特にお勧めできるというわけです。

慣れてきたら汎用エンジンに乗り換えたほうがいいかも

ただゲーム開発に慣れてくると特化型ツールでは物足りなくなる可能性があります。もしそうなったらUnityやUnreal Engineのような汎用性の高いゲームエンジンへの乗り換えを検討しましょう。

汎用エンジンは慣れるまでに数カ月~1年程度の時間がかかりますが、その分使いこなせると非常に強力でより自由度の高いゲーム開発を行うことができるようになります。自分の好きなようにゲームを作れると本当に楽しいのでぜひ汎用エンジンを使いこなせるレベルになるまでゲーム開発に取り組んで頂ければと思います。

作るゲームに応じて開発ソフトを使い分けるのも一つの手

あと、ゲーム開発に慣れてくると色々なジャンルのゲームを作りたくなってくると思います。その場合はゲームに応じて開発ソフトを使い分けるのも悪くない手段です。

例えば私は最初はウディタでRPGを作っていましたが、その後それだけでは満足できなくなりUnityでFPS等の3Dゲームを作るようになりました。ただ一方でUnityではRPGを作るのが非常に大変なので、RPGを作りたくなったらウディタやツクールを使うといった具合に使い分けを行っています。

もちろん理想的には一つの開発ソフトで色々なジャンルを作れるのが一番だとは思います。しかしそれぞれのソフトには向き不向きがありますので、無理せず使い分けたほうがいい場合もあるということは知っておいて損はないでしょう。

おわりに:自分にぴったりのゲーム開発ソフトを見つけて使いこなそう

以上、主なゲーム開発ソフトの比較・紹介をしてみました。今は高性能なゲーム開発ソフトが色々出回っており本当にいい時代になったなぁと思います。一方で、一体どのソフトを選べばいいのか分かりづらくなったのはなかなか悩ましいところです。ぜひ上記の内容を参考にしていただき、ご自身に一番合った開発ソフトを選んで頂ければと思います。

この記事がゲーム開発のお役に立てば幸いです。