今回はゲーム開発(というか創作活動全般)に関する話題で、タイトルの通り
クリエイターとしてパトロンサイトを使う場合の注意点
を一通りまとめてみるという内容になっています。
私は数年前からパトロンサイト(Ci-en、Fanbox等)を使っているのですが、その手のサイトをしばらく使っていると
- なんか使い始める前のイメージとはだいぶ違うよなぁ
- トラブルというか嫌な思いをすることもあったし、いいことばかりじゃないな
と感じました。というのも最初は
ファンができて交流できたり、金銭的な支援をしてもらえたりするんだろうな…ワクワク
なんて思っていたけど実際はそうでもなかったからです。そこでここではパトロンサイトを使う前に知っておいた方がいいことや、注意点などについて書いてみようと思います。
最大の注意点:有名人かR18コンテンツ作者にしか支援者は集まらない
まず最初に一番の注意点を言ってしまうと、(当然と言えば当然ですが)パトロンサイトでは
「元から有名な人」か、そうでなければ「R18コンテンツを作っている人」にしか支援者は集まらない
という点はあらかじめ理解しておく必要があります。したがって例えば私みたいな「無名の全年齢ゲームの作者」とかは全く相手にされないので注意してください。
この理由はまあ考えて頂ければわかる通りで、わざわざ貴重なお金を出してまで支援しようと思うのは
自分の欲をしっかり満たしてくれるクリエイター
だけだからです。
例えば有名人であれば話題性があり、その人を応援しているだけで他のファンとの話が弾むので支援するメリットがあります。またR18コンテンツは三大欲求のうちの一つを満たせるので、そういうコンテンツを生み出せるクリエイターを支援する価値は十分にあるでしょう。
逆に言えば「無名のクリエイター」とか「つまらないコンテンツを作っている人」を支援するメリットって正直何もないですよね。大した見返りもないのに一体誰がお金を払って支援しようと思うのでしょうか?
このようなことを考えると、結局のところ話題性のないコンテンツを作っている無名のクリエイターを支援しようなんて人は99.9%現れないといえます。もしそういうクリエイターであること自覚している場合はパトロンサイトを使うにしても金銭的な支援は期待しない方がいいでしょう。
それでもパトロンサイトを使う場合の注意点まとめ
さて上記ではだいぶ辛辣なことを書いてしまいましたが、それでもパトロンサイトを使ってみたいと思っているクリエイターの方もいらっしゃるかと思いますので細かい注意点をいくつか挙げてご説明していこうと思います。
主な注意点は次のとおりです。
- 「クリエイターを操ろうとしてくる人」に注意しよう
- フォロー返し目当てのクリエイターは無視しよう
- 純粋な意味でのファンはほとんどできない
- コメントは支援者だけに制限したほうがいい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「クリエイターを操ろうとしてくる人」に注意しよう
まず一つ目は「クリエイターを操ろうとしてくる人」に注意したほうがいいということです。
クリエイターを操るとはどういうことかというと、例えば
人気がなさそうなクリエイターに目をつけて低額の支援プランに加入し、「こういう作品が好きだから作ってほしい」などと言って格安で自分の思い通りの作品を作らせる
というような手口です。人気がないクリエイターからしたら支援者が現れるのはすごく嬉しいことなので、ついついそのような支援者の口車に乗って割に合わないリクエストに応えてしまいます。言い方は悪いかもしれませんが悪知恵の働く支援者からしたらこういうクリエイターはまさに「カモ」です。
実は私自身そういう人に遭遇したことがあり非常に不快な思いをしました。具体的に書くと、その人はたった数百円の支援で私に「思い通りのゲーム」を作らせようとしてきたのです。
その当時私はパトロンサイトを始めたばかりでほかの有料支援者はおらず、その支援者の機嫌を損ねるのも怖かったのでしぶしぶ意見を取り入れながらゲームを作り、やっとの思いで完成させリリースしました。するとどうでしょう?その人はなんと
何これ?思っていたゲームと違うんだけど?
気に食わないから支援切るわw
と言い放ってきました…。実質その支援者のために良かれと思ってゲームを作っていたのにこの言い方はないと思います。本当にひどい仕打ちです。
というわけで私はこの事件以降、たとえ支援者であっても自分のゲーム開発の方針にいちいち干渉してくる人の意見は真面目に聞かないようにしています。
金銭的に支援を受けると支援者に対して負い目を感じると思いますが、そこにつけこんだ手口に騙されないように気をつけましょう。
フォロー返し目当てのクリエイターは無視しよう
次に二つ目は、パトロンサイトにはフォロー返し目当てのクリエイターがたくさんいるので無視した方がいいということです。
これはパトロンサイトに限らずSNSにも言えることですが、少しでもフォロワー数を稼いで箔をつけたいと思っている変なクリエイターがうじゃうじゃいます。そんな人たちがよくやるのが
手当たり次第にフォローしたり、いいねしたりする
という行動です。フォローしたりいいねしたりすれば相手に通知がいくので、何も知らないクリエイターからしたら「もしかして興味を持ってくれているのかな?」「フォロー返ししたほうがいいかな」などと思ってしまいます。もちろんこれでは相手の思う壺です。
フォロバ目当てのクリエイターははっきり言って何の役にも立たないのでガン無視しましょう。
純粋な意味でのファンはほとんどできない
さて三つ目はパトロンサイトといえど純粋な意味でのファンはほとんどできないということです。
冒頭にも書いたとおり、支援者の人は何らかの見返りを求めて支援を行います。クリエイター側の立場からしたら
自分が頑張って活動するだけでファンや支援者がついてくれるだろう
などと思いがちですが、実際はそんなことは滅多にありません。
そういう意味では自分の活動を無条件で応援してくれるようなファンというのはまず現れないと思った方がいいでしょう。もし本当に金銭的に支援してもらいたいなら自分本位な活動ではなく、明確に誰かのメリットになる活動をする必要があります。
コメントは支援者だけに制限したほうがいい
四つ目は、パトロンサイトに限らず普通のブログにも言えることですがコメント欄は制限しておいた方がいいということです。
コメント欄を無条件に解放しておくと通りすがりに唾を吐きかけてくるような輩が必ず出没します。これはとても不快で創作のモチベーションを削ぐことになりかねないので、予めコメント欄を制限して最低限フォローしないとコメントできないようにしておくことをお勧めします。
多くのパトロンサイトには「一定以上のプランに加入していないとコメントできない」というような機能がついていますからそれを利用するといいでしょう。
パトロンサイトは「集金機能つきの無料ブログ」として活用しよう
さてここまでパトロンサイトの注意点を一通り書きましたが、結局のところこの手のサイトの一番うまい使い方は
というやり方だと思います。…まあなんていうか、「場合によってはお金をもらえるかもしれないブログ」「普通のブログよりはちょっと反応をもらえる場所」くらいに思って使った方が精神衛生上よいのではないでしょうか。
もちろん有名人やR18コンテンツを作れるクリエイターならパトロンサイトを有効活用しない手はないのですが、私みたいな無名・全年齢ゲームの開発者とかはどっちみち金銭的な支援は期待できないので予め上記のような気持ちで使うことをお勧めします。
おわりに
以上、クリエイターとしてパトロンサイトを使う際の注意点について一通りご説明しました。いろいろ書きましたがパトロンサイトは上手く使えば創作活動が楽しくなる場所でもあるので、ぜひ上記の点を参考にしていただき活用して頂ければと思います。
この記事が何かしら参考になれば幸いです。