今回は皆さん大好きなお金に関する話題で、タイトルのとおり
というお話です。
このブログではたびたび「個人ゲーム開発は儲からない」という話をしてきたのですが、そういう夢のない話ばかりするのもなんだか申し訳ないなぁと毎回思っていたので、今回は
ということをお伝えしておこうと思いました。
そこでここでは
- 凡人が個人ゲーム開発で儲けようとしても割に合わないからやめたほうがいい
- ゲームそのものじゃなくて、ゲーム用素材にはかなりの需要がある
- 儲けたいなら発想を変えてみよう
といった点について詳しく書いていきますね。
前置き:凡人が個人ゲーム開発で儲けようとしても割に合わない
では、まず本題に入る前に前置きを少し。
このブログをご覧の皆さんの多くは個人ゲーム開発者の方だと思うので、「好きなゲーム開発で一山当ててウハウハになりたい」と思っている方も少なからずいらっしゃるかと思います。まあ確かに個人ゲーム開発って一発当てれば莫大な利益になりそうなイメージなので夢がありますよね…。
しかし極めて残酷なことを言うと、今の世の中個人でゲームを作って儲けられる可能性は非常に低いと言わざるを得ません。この点に関して以下の記事で理由を述べたので詳細は省きますが…
要約すると
というわけですね。だからよほどの天才でもない限りは個人ゲーム開発で儲けようなんて考えはやめた方がいいと私は思っています。
ゲーム用素材を作って売ったほうがよっぽどマシ
ただ、たびたびこういう現実的な話をすると
- じゃあどうすりゃいいのさ?
- 何かゲームで儲ける方法はないの?俺にはゲームしかないんだよ…
といった声が漏れ聞こえてきそうなのもまた事実です。そこで今回強調しておきたいのは
ということ。つまりゲーム開発のスキルを活かしつつ稼ぐつもりなら、ゲーム開発に役立つ素材(=いわゆるアセット)を作って売れば多少は希望があるという話なんですよね。
ではここからはその点について詳しく説明していこうと思います。
ゲーム用素材にはかなりの需要があり、個人でも儲けやすい
さて「ゲーム用素材を作って売ればいい」という話をするからには、
- そもそもそれって儲かるのか?
- ゲームそのものを売るのと比べてどんなメリットがあるのか?
という点をハッキリさせておく必要がありますよね。そこでそれぞれについて具体的に書くと次のような感じになります。
ゲーム用素材の制作は(ゲーム開発よりは)よっぽど儲けやすい
まず私は「ゲーム開発」も「ゲーム用素材制作」も両方やっているのでその立場から言うと
- ゲーム開発:全く儲からない
- 素材制作:月に3万円程度の「儲け」が出ている(※売上ではなく利益)
という状況なので、ゲーム開発よりは素材制作のほうがよっぽど儲かると言っていいと思っています。
ちなみに私はゲーム開発初心者ではなく今までに個人で40作品近いゲームを開発・公開してきた変人です。こう書くと「それだけゲームを作ってきてゲーム開発の利益がないのかよ…」と呆れられてしまいそうですが、まあその辺はゲームを完成させる才能はあっても売れるゲームを作る才能はないということなのかもしれません。
いずれにしても初心者がゲーム開発に挑戦して失敗し儲からないと嘆いている…というわけではないので、その辺はご留意いただければと思います。
ゲームそのものを売るよりも大きなメリットがある
次に、「ゲームよりも素材を売ったほうが儲かる」として、じゃあなんで素材を作ったほうが得なのか?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんのでその点について説明します。
結論から言うと、ゲーム用素材はゲームそのものを売るのに比べて次のような大きなメリットがあるから得なのです。
- ゲームそのものよりも確実な需要がある
- ゲームそのものを作るよりも手間がかからない
メリット1:ゲームそのものよりも確実な需要がある
まず一つ目のメリットはゲーム用素材にはゲームそのものよりも確実な需要があることです。これはどういうことかというと、ゲームはお客様にとっては娯楽品ですが、ゲーム用素材はお客様にとって必需品に近い存在だからだと言えます。
例えば私はゲーム開発者である一方でPCゲーム大好きなプレイヤーでもあるわけですが、PCゲームを買うときは1000円のゲームでも買うのをためらうのに、アセットストアでアセットを買うときは5000円くらいの商品をつい気軽に買ってしまいがちです。
やはりゲームそのものは娯楽品なのであまり大金は出せないなぁと思いますし、「本当にこのゲームは面白いのか?」と必ず疑ってかかるのでどうしても買うときに悩んでしまいます。一方でアセットに関しては
- こんなに素敵な素材をあなたのゲームで使えますよ
- こんな便利機能があってゲーム開発の役に立ちますよ
と言われたら多少高くても思わず欲しい!と思ってしまいます…。つまりゲームそのものと素材じゃ需要の高さが全然違うというわけですね(※もちろん、両者はジャンルが違うので単純な比較はできないかもしれませんが)。
また、需要の程度でいえば近年だと
- ゲーム市場:
ゲームエンジンの無料化などによって、ゲーム開発者はどんどん増えているので面白いゲームで溢れかえっていて飽和状態→並以下のゲームはほとんど売れない - ゲーム素材市場:
ゲーム開発者がどんどん増えている→素材の需要は高まっており、色々な素材が売れるようになっている
という違いもあります。こういうことを考えてもゲーム用素材を作って売ったほうがまだチャンスがあると言えるでしょう。
メリット2:ゲームそのものを作るよりも手間がかからない
次に二つ目のメリットは、ゲーム用素材を作るのはゲームを作るよりも手間がかからないのでコスパがよいということです。
ゲーム開発だと完成までに短くても数週間・長いと数年単位の時間がかかるのですが、素材制作の場合は小規模な単品でも需要さえあれば売れるのでサクッと作って販売できるんですよ。しかもそれでいて苦労して作ったゲーム以上の価格で販売できることを考えると非常にコスパがいい。…正直ゲーム開発で儲けようとするのがバカみたいに思えてきます。
こういった点を考えても、儲けるならやっぱり素材を作ったほうが割に合うということが分かりますね。
具体的にどんな素材を作って売ったらいいのか
では最後に、ここまでの話で素材制作のメリットは十分ご理解いただけたと思いますので「具体的にどんな素材を作ったらいいのか」について少しお話しておこうと思います。
一口にゲーム用素材と言ってもその種類は多岐にわたるわけですが、個人的にBOOTHというショップサイトで色々な素材を作って売った経験を元に「儲けやすさ」を一覧表にすると次のような感じになります。
素材のジャンル | 需要 | ライバルの多さ | 儲けやすさ |
---|---|---|---|
3Dモデル素材 | かなり高い | 多い | 儲かる |
イラスト・画像素材 | 高くない | そこまで多くない | イマイチ |
ツール系 | 低い | 少ない | 物によりけり |
まず3Dモデル素材については、ゲーム開発のほかVRChat等のアバターとしてかなりの需要があるので、一度クオリティの高いものを作ることができれば相当儲かると思います。もちろんライバルも多いのですが需要が高く・ユーザーさんの購買意欲も高いので、そこそこのクオリティでも一定以上稼げるチャンスは大きいです。
一方でイラストや画像素材は、無料配布されている素材が多いせいか有料素材の需要は低くイマイチ儲からない感じです。ただしRPG開発等でお世話になるキャラクター(特にモンスター系)はクオリティの高い素材はかなり売れているようなので、絵の腕に自信があればチャレンジしてみてもいいかもしれません。
あとは便利ツール系の素材ですが、これは多くのユーザーさんがアセットストア等の正規のストアで購入することが多いようで、私が販売しているサイトではあまり人気がないみたいです。しかしVRChat用など需要が高いツールはバカ売れしているらしいので、普通のゲームではなくそちらのほうに詳しい方ならチャンスはあるかと思います。
おわりに
以上、今まで夢のない話ばかりしてきたので「やり方を変えればゲーム関係でもそれなりの利益が出ますよ」というお話をしました。
まあ素材制作のほうが稼ぎやすいと言ってもさすがにウハウハになるのは厳しいかもしれませんが、ゲームで小遣いを稼ぎたい・副業にしたいとかなら十分ありだと思うのでぜひ上記の内容を参考にしていただき、チャレンジしていただければと思います。
この記事がゲーム開発のお役に立てば幸いです。