「Steam Nextフェス」で自作ゲームを宣伝しよう!実際に参加したらどうなったかをレポート【ゲーム開発】

Steam Nextフェスで自作ゲームをPRしよう! ゲーム開発

今回はSteamでの自作ゲームの販売促進に関する話題で

Steam Nextフェスに自作ゲームを出した結果どうなったか?

を詳しくレポートするという内容になっております。

Steamで自作ゲームを販売することはPCゲーム開発者の方にとっては一種の憧れのようなものだと思います。しかし実際にSteamでゲームを販売してみると

  • Steamには強力なライバル製品が溢れており非常に競争が激しい
  • しかも1日に30作品以上の新作ゲームが続々と登場することがあり、せっかく作った自作ゲームが埋もれてしまうことが多い
  • それゆえに宣伝が上手くいかないとゲームが売れない

といったことが痛いほど分かるでしょう。ただ個人開発だと宣伝の手段がかなり限られているので、「一体どうすりゃいいんだよ…」と頭を抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこでSteamで自作ゲームの認知度を上げるためにぜひ活用したいのが、Steamがたびたび開催するフェスとよばれるイベントです。特に近日登場予定の新作ゲームを集めた「Steam Nextフェス」はプロモーション的に絶大な効果があるという話を聞いたので、私もゲーム開発のサイクルが合えばぜひ参加したいなと以前から思っていました。

そして2024年6月、ようやく私の新作ゲームをSteam Nextフェスに出品できる機会に恵まれたので「どうせならNextフェスの効果がどれくらいあったか記事を書いてみよう」と思った次第です。そんなわけでここでは

  • そもそもSteam Nextフェスとは何か
  • Nextフェスの参加条件は?
  • 実際にNextフェスに出品した結果どうだったか

といった点について詳しく書いていきますね。

そもそもSteam Nextフェスとは?

まずはじめに「そもそもSteam Nextフェスって何だよ」と思っている方もいらっしゃると思うので概要をザックリご紹介します。

Steam NextフェスはSteamが主催する販売促進イベントの一種で、近日登場予定のゲームの体験版を特集したお祭りです。Steamの一般ユーザーにとっては新作ゲームを一足先に体験できるイベントとなっている一方で、ゲームを出品する開発者としては新作をより多くのユーザーさんに知ってもらうための非常に効果的なイベントとして有名です。

聞いた話だとこのイベントに自作ゲームを出したらウィッシュリスト登録数が急増した!という開発者の方が多いようで、とくに英語圏の開発者コミュニティではSteamで新作を出すなら必ず参加するべきともいわれています。

ちなみにこのフェスは定期的に開催されており、例年2月・6月・10月の3回開催されています。開催期間は7日間です。

Steam Nextフェスの参加条件

次にそんな魅力的なSteam Nextフェスの参加条件はザックリ書くと次のとおりです。

  • まだ未発売のゲームで発売日がフェス終了以降である
  • フェスへの参加締切日までにSteamストアページが公開されているゲームである
  • フェス開催までに体験版が用意されているゲームである(開催中に一時的に体験版を公開する形式でもよい)
  • 過去に一度もNextフェスに参加していないゲームである

基本的に未発売の新作ゲームでストアページと体験版が用意されていればどんなゲームでも参加できるようになっています。

参加の手続きはとても簡単で、専用のフォームに必要事項をいくつか記入するだけです。ストアページと体験版が用意されていれば手続き自体は5分で終わるので手間はほとんどかかりません。

実際にNextフェスに参加した結果どうだったか

ではここからが本題で、私が実際に自作ゲームをNextフェスに出品したらどうなったかという結果を公表してみようと思います。

参加した回はSteam Nextフェス 2024年6月エディションです。出品したゲームは「ミオと灼熱の夏」というFPSで、リロードなしで敵を撃ちまくれる爽快なゲームとなっています。

Nextフェス参加前の状況

まずNextフェス参加前の状況について書いておくと、そもそもこのゲームはまったく注目されておらず

  • ゲームのウィッシュリスト登録数:220件くらい
  • 一日あたりのウィッシュリスト登録数:+1~2件の日がほとんどで、たまに±0件どころか前日より減る日もあるほど
  • ゲームのフォロワー数:15人
  • 体験版を公開し、こまめにアップデートしてSteam上でお知らせをしていたにもかかわらず誰も遊んでくれない

という悲惨な状態でした。

私としては(才能は無いながらも)ベストを尽くして作ったゲームですし、体験版のアップデートも根気よく行っていましたが誇張抜きで1ミリも話題にならず埋もれていたというのが実情です。正直「このままだと全然売れなさそうだな…」と焦るレベルでした。

Nextフェス参加後の状況

そんな残念な状況の中Steam Nextフェスに出品したわけですが、フェス終了時のウィッシュリスト登録数等の状況は次のようになりました。

  • ウィッシュリスト登録数:420件くらい(+200件)
  • Nextフェス中の一日あたりのウィッシュリスト登録数:10~50件くらい(平均25件)
  • ゲームのフォロワー数:22人(+7人)

私のゲームはNextフェスの中では最下位に近い位置に表示されており、相当スクロールするか条件を絞り込まないと出てこないレベルだったにもかかわらず一日に20件以上のウィッシュリスト登録がありました。特にフェス初日には50件以上のウィッシュリスト登録を獲得することができて驚きました。

Steam Nextフェス中のウィッシュリスト増加数のグラフ
Steam Nextフェス中のウィッシュリスト増加数のグラフ(青の折れ線)

もちろん話題作と比べれば微々たる増加量なのですが、それでもフェス終了時には参加前と比べてウィッシュリスト登録数が2倍くらいになったことを考えればかなりの宣伝効果です。

一方でゲームのフォロワー数は思っていたほどは増えませんでした。ゲームをフォローしてくれる方はそのゲームに対して強い興味関心があるということなので、私のゲームの場合はおそらくあまり興味を持ってもらえなかったということでしょう。したがって「フォローするほどでもないけどとりあえずウィッシュリスト登録だけしてみるか」という方が多かったのではないかと思います。

アメリカからのウィッシュリスト登録が断トツで多かった

ちなみにNextフェスで増えたウィッシュリスト登録数を分析してみたところアメリカからの追加が6割以上を占めていました。

日本からのウィッシュリストも増えたものの全体の1割程度にすぎず、個人的にはちょっと意外でした。Nextフェスはアメリカでの注目度が特に高いのかもしれません。

まとめ:Nextフェスの宣伝効果はすごい

最後に上記をまとめると

  • Steam Nextフェスに自作ゲームを出品するだけでかなりの宣伝効果がある(※元々注目度の高いゲームなら最高の効果を得られるが、そうでなくても一定以上の宣伝になる)
  • 出品するのに手間もかからないのでコスパは抜群、出品しない理由がない

と言えるでしょう。

まあ3カ月に一度のイベントなのでリリース時期など日程の都合でなかなかフェスに出られない場合もあるかもしれませんが、そのような場合も無理やりリリース日程を変更してでもNextフェスに出品したほうがいいと個人的には思いました。それくらい効果抜群のフェスですから、今後Steamで新作をリリースするよという方はぜひこのフェスを活用してください。

おわりに

以上、Steam Nextフェスの概要やこのフェスに自作ゲームを出品した結果について書いてみました。

私のゲームの場合は元々全く注目されていなかったのでNextフェスに出してもそこまで伸びませんでしたが、それでも十分な効果があったのでやはりNextフェスに参加しないのはもったいないと思いました。これからSteamで新作ゲームをリリースするよという方はぜひ上記を参考にしていただき、Nextフェスにゲームを出品してみていただければと思います。

この記事がゲーム開発のお役に立てば幸いです。