今回はゲームクリエイター(=ゲーム開発者)になるための方法に関する話題で
- あなたがゲームクリエイターになるために今すぐやるべきこと
- ゲームクリエイターになるうえで知っておいた方がいいこと
を一通り丁寧にまとめてみるという内容になっています。
私は自営業の一環としてゲーム開発をしている兼業ゲームクリエイターで、実際にゲームを個人開発してSteam等で有料販売したり・ゲーム用素材の販売をしたりして稼いでいます。…まあ実力的には大したことはなく残念ながらゲーム開発一筋で生活できているわけではありません。しかしそんな私でもたまに
- ゲームって一体どうやって作るの?
- ゲームクリエイターになるにはどうしたらいいの?
といった質問を受けることがあります。
もちろん兼業という立場ゆえに一流のプロとしてのアドバイスはできないのですが、それでもゲームクリエイターを夢見ている皆さんの役に立つことはある程度は言えると思っているので僭越ながらアドバイスをさせて頂いています。
そんなわけでここでは今まで私がしてきたアドバイスを分かりやすくまとめて、ゲームクリエイターになる方法・手っ取り早いなり方について書いてみますね。
結論:ゲームクリエイターになりたいなら今すぐ自分でゲームを作り始めよう!
まずはじめに結論から言ってしまうと、ゲームクリエイターになりたいと思ったら今すぐ自分でゲームを作り始めるべきです。
なぜ自分でゲームを作るべきなのか?それはゲームクリエイターを名乗るためには
自力でこういうゲームを作りました
という実績が必須になってくるからです。
そもそもゲームクリエイターを名乗るためには資格は何も必要ありません。ですがそれゆえに、企業に就職するとか自営業として活動するとかに関わらず即戦力であることが求められます。したがって自力で何も生み出せない人がクリエイターとして稼げるなんてことはありえないので、予め人に見せられるレベルの作品を自力で作り、自分の実力を証明できるようにしておく必要があるのです。
…なんかたまに「自分でゲームを作る気はないけど何となくゲームクリエイターになりたい」などと思っている愚かな人がいますが、正直言ってそういう人にはクリエイターは絶対務まらないのできれいサッパリ諦めたほうがいいと思います。というかそういう甘ったれた思考の人にはゲーム開発をナメるなと言いたい。ゲーム開発はそんな甘々な考えで上手くいくほど単純なものではありません。
ゲームクリエイターになるには「自作ゲームを販売し実績を作る」のが一番の近道
というわけで、ゲームクリエイターになるにはまず自分でゲームを作ってみることが第一だというお話をしました。しかし自分でゲームを作ることはあくまでもスタートラインにすぎず、正直「こんなゲームを作りました」だけではインパクトが弱いです。
じゃあどうしたらいいのかというと、できれば「ゲームを作ってリリースしたらこれだけ売れました!」という商業面での実績が欲しいところです。ただ初心者がいきなりゲームを売るのは失敗の元ですから、段階を踏んで実力をつけていく必要があります。
そこでここでは自作ゲームを売るまでのロードマップを次の4ステップに分けて説明しますね。
- まずはミニゲームを1本完成させる
- ゲームジャム等のイベントに参加して実力をつける
- ゲームの規模を大きくして売れるレベルにする
- 実際にゲームを売ってみる
ステップ1:まずはミニゲームを1本完成させよう
まずゲーム開発初心者の段階ではとにかく「ゲーム開発に慣れる」のと「自作ゲームを完成させる」ことが重要です。そこでこのステップではクオリティやボリュームにはあまりこだわらず、ミニゲームを作って完成までに必要な作業を一通り経験して力をつけることをお勧めします。
具体的には
初心者向けのゲーム開発ソフトを使ってミニゲームを作る
のがオススメです。例えばプログラミング初心者の方の場合
- RPGツクールシリーズ(RPGツクールMZなど)
- WOLF RPG エディター(通称ウディタ)
などプログラミング不要で簡単にゲームを作れるソフトがあるので、それを使って小規模なゲームを作ってみるのがいいでしょう。
また、プログラミングがある程度できる方であれば
- Unity
- Unreal Engine
- Godot Engine
といった高性能でプロ仕様のゲームエンジンを触ってみるのもいいかもしれません。先ほど紹介した初心者向けソフトは実力がついてくると物足りなくなるはずで、いずれは高性能なゲームエンジンに乗り換えることになるでしょうから最初から高性能なエンジンを使えるならそれに越したことはありません。
さて無事に最初のゲームが完成したらフリーゲーム投稿サイトで無料公開し、いい反応があるかどうかを確かめてみることをお勧めします。もし投稿したゲームが注目されれば才能があるので自信を持っていただいてOKですし、ダメな場合でも諦めずに次のゲームの開発にチャレンジしてください。どのような結果であれ「ゲームを作ってリリースし、知らない人に遊んでもらう」ことを達成できればこの段階では大成功です。
ステップ2:ゲームジャム等のイベントに参加して実力をつけよう
次のステップとして、最初のゲームが完成した後も次回作を作るなど継続的にゲーム開発に取り組みましょう。ただしダラダラと惰性でゲームを作るようでは実力の伸びが遅くなってしまいますから、メリハリをつけるためにもゲーム開発に関するイベントに参加してみることをお勧めします。
ゲーム開発系のイベントは
- コンテスト
- もくもく会
- ゲームジャム
などいくつかあります。中でもゲームジャムは力試しにおすすめです。ゲームジャムとはお題に沿ったゲームを短期間で開発するイベントでunityroomやitch.ioといったゲーム投稿サイトでよく開催されています。
ゲームジャムのいいところは
- 時間が限られているので自分を追い込んでベストを尽くす経験ができる
- 相互評価によって自分のゲームを評価してもらえたり、他の人が作ったゲームのいいところを発見できたりする
といった点にあります。普段の開発とは一味違った経験を積むことで実力を大きく伸ばすことができると思うので、ぜひ積極的に参加してみてください。
ステップ3:ゲームの規模を大きくして売れるレベルに仕上げよう
さて十分実力がついたと実感したら、いよいよゲームの規模を大きくして売れるレベルに仕上げていきましょう。
ゲームを売れるレベルにするためにやるべきことは多岐にわたります。ただ私が普段からよく作っているPCゲームの場合で言うと
- ボリュームがあり遊びごたえがある
- 他のゲームにはない面白さ・魅力がある
という2点は最低限必要です。そこでここではこの2点に絞ってもう少し詳しくご説明します。
ゲームのボリュームについて
まず、自作ゲームを売り物のレベルにするためにはミニゲームではなく中規模かそれ以上のボリュームにする必要が出てきます。ボリュームの目安としてはどんなに短くでも全クリまで2時間以上は欲しいです。それ未満のボリュームでも売れる場合はもちろんありますが、PCゲームに限って言えばそんなのはほんの一握りの例外なのでそれでいけると思ってはいけません。
なおゲームのボリュームを増やそうとするとシナリオやレベルデザインなどゲームの中身の制作に関する作業時間が激増します。なので例えばゲームシステムのプログラミングは得意だけどレベルデザインは苦手…というような方はこの段階になって苦労するかもしれません。頑張りましょう。
そのゲームならではの面白さ・魅力について
次にゲームを売れるレベルにするためにはそのゲームならではの面白さや魅力が必要です。オリジナリティのあるゲームは話題になりやすいですし、プレイしていて愛着も湧きやすいので売れるきっかけになります。
しかしゲームのオリジナリティをひとくくりに定義したり、どの程度オリジナルの要素を盛り込めばよいかについて明言したりすることはなかなか難しく、この点についてハッキリとしたアドバイスはできないのが残念なところです。ですが一つ言えることは
自分なりの工夫を盛り込むことでそのゲームにしかない魅力が生まれる
ということです。自分なりに工夫してゲームを作れば必ずそのゲームにしかない魅力が出てきますので、ぜひ色々と工夫して既存のゲームとの差別化を図ってみてください。
ステップ4:実際にゲームを売ってみる
最後に自信作ができたらいよいよゲームを販売してみましょう。ここでの注意点は、たとえいいゲームができたとしても勝手にバンバン売れるわけではないことです。ゲームがきちんと売れるようにするにはマーケティング的なポイントを抑える必要があります。
自作ゲームを販売するためのコツについては下記の記事で詳しくご説明しているのですが…
要点をまとめると
- 思った以上に売れないかもしれないので覚悟は必要
- どのサイトで販売するかを吟味しよう
- 適切な価格設定を心がけよう
- きちんとゲームの宣伝をしよう
といった感じになっています。
ここで重要なのは、たとえ面白いゲームでも運が悪いとコケることがありますし、販売先や価格設定・宣伝をミスった場合も思ったほど売れないことがある…ということです。つまり
ゲームの売れやすさ = そのゲームの魅力 × マーケティング × 運
という掛け算になっていると私は思います。なのでもしかしたら売れないかもしれないという覚悟は必要ですが、できることを全てやり切って万全の態勢でリリースしましょう!
その結果として十分な稼ぎを得られれば晴れて一人前のゲームクリエイターを名乗れますし、もしダメでも活動を続ければまだまだチャンスはあります。どのような結果であれ次回作の開発に着手し、ゲーム開発を続けることが肝心です。
ゲームクリエイターとしての働き方の形態について
さてここまではゲームクリエイターになるための手っ取り早い方法(=自作ゲームを作って売る)について書きました。
しかし上記の方法はあくまでもファーストステップ的な部分であり、結局自分でゲームを作っても売れなければ「自称ゲームクリエイター」にすぎません。ですが肩書きとしてゲームクリエイターを名乗るからにはできればゲーム開発で食っていけるようにしたいものです。そこでここではゲーム開発で稼いで活動を続ける方法・すなわち働き方の形態について触れておこうと思います。
この方法は一通りではなく何通りもあります。大まかに分けると次の3通りとなります。
- ゲーム会社に就職して給料をもらいながらゲームを作る
- 何らかの企業に勤めながら副業的にゲームを作る
- 自営業・フリーランスとしてゲーム開発を行う
それぞれ詳しく見ていきましょう。
方法1:ゲーム会社に就職する
一つ目はゲームクリエイターの理想形でゲーム会社に就職するやり方です。ゲーム会社に勤めればゲームを作りながらお給料をもらえますし、自営業とは違って安定していて福利厚生も手厚いので生活に困ることもありません。
ただし大きなゲーム会社ほど分業体制になっている場合があり、自分で何でもやりたいという方は少々歯がゆい思いをするという話を聞いたこともあります。なのでゲーム会社に勤めて職務をこなしつつプライベートでも自分のゲームを開発する…という猛者もいるようです。
方法2:企業に勤めながら副業としてゲームを作る
二つ目はゲームとは関係ない企業に勤めながら副業としてゲームを作るやり方です。こちらはプライベートな時間でしかゲームを作ることはできませんが、やはり生活が安定していて活動を長く続けられるのがメリットです。
しかし企業によっては副業を禁止している場合があり、せっかく自信作を作っても販売できないなんてことがあります。その場合ゲームを有料販売したいなら会社と交渉するか転職するしかありません。
方法3:自営業・フリーランスとしてゲーム開発を行う
最後に三つ目は自営業・フリーランスとしてゲーム開発を行うやり方です。この場合は企業などからゲーム開発の仕事をもらって活動する場合と、自分で作ったゲームを販売する場合の2パターンがあります。
いずれのパターンも会社員になる場合に比べたら
- 一日の大部分をゲーム開発につぎ込むことができる
- 実力次第ではいくらでも稼げる
といったメリットがある反面、
- 安定性に欠ける
- 税金や社会保障費などのコストがより多くかかる
といったかなり大きなデメリットを伴います。したがって本当に才能や実力がある場合以外はおすすめできない方法だといえるでしょう。
ゲームクリエイターとして食っていける人はほんの一握り
さてここまでゲームクリエイターとしての第一歩を踏み出す方法や、どのような働き方があるかを長々とご紹介してきました。
しかし最後になって身も蓋もないことを言うと、結局ゲーム開発一筋で食っていける人なんてほんの一握りです。ほとんどのゲーム開発者は私のように兼業か、趣味でゲームを作る程度でゲームクリエイターを名乗れるほど稼げていないと思います。
ですがそれでも
- ゲームを作るのが好き
- ゲームを通じて他の人を楽しませるのが生きがいだ
という方にはぜひゲームクリエイターを目指して頑張って頂きたいと思います。
おわりに
以上、長くなってしまいましたがゲームクリエイターになるためにやるべきことや知っておくべきことについて一通りまとめてみました。総括すると
- ゲームクリエイターになりたいならゲームを作って売ってみよう
- 実績を作ってゲーム会社に就職するのが理想的
という感じですね。ぜひ参考になさってください。
この記事が何かしらお役に立てば幸いです。