今回は個人ゲーム開発に関する話題で、一言でいうと
という話です。
私はかれこれ5年近く個人でゲームを作り続けていて、これまでに35作品以上のゲームを開発してきたのですがいい加減つらすぎてなんだか疲れてしまいました。…もちろんゲーム開発は楽しいこともたくさんありますし、悪いことばかりではないということは強調しておきたい部分ではあります。しかし一方でつらさや大変さのほうが上回ることも多くて「ダメだ~、ゲーム開発なんてもうヤダ!!」と思ってしまうことも少なくないんですよ。
ただこういう個人開発者にありがちな苦労はなかなか他の方には見えにくいと思っていて、これからゲーム開発に挑戦しようとしている初心者の方からしたら
- え、ゲームって簡単に作れるんじゃないの?
- 具体的に何がそんなに大変なのさ
と思うかもしれません。そこでここでは
- 個人でゲームを開発することのつらさ・大変さ
- それでも私がゲーム開発をやめない(というかやめられない)理由
について書いていきますね。
個人ゲーム開発の大変なところ
では早速ですが、まずは個人ゲーム開発の大変なところをいくつか挙げてご紹介しようと思います。
- やるべきことが多すぎる
- 意外と作りたいゲームを作れない
- モチベーションが続かない
- 頑張って作ったゲームが売れない・儲からない
- ゲームに低評価をつけられたり、文句を言われたりする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
やるべきことが多すぎる
まず一つ目に大変なところは、ゲーム開発はやるべきことが多すぎる点です。
ゲームは様々なジャンルの創作物の集合体なので、他の創作物とは桁違いの作業量になる場合が多いんですよね。例えば一般的なRPGの開発で必要な作業をリストアップしてみると、
- 企画
- ゲームシステム等のプログラミング
- シナリオ制作
- グラフィック制作
- サウンド制作
- フィールド制作
- 敵・アイテム等のデータ入力
- ゲームバランス調整
- デバッグ
- リリース後のサポート
などなど多岐にわたる作業があります。そしてゲーム会社であれば各工程にプロがいるわけですが、個人開発の場合は当然ながら自分一人しかいないわけですから膨大な作業量に孤独に立ち向かっていかなければなりません。これがゲーム開発を大変にしている最大の要因です。
まあ一応、上記のうちのいくつかは
- 既成の素材(=アセット)を使う
- その分野のプロに作業を発注する
といった手段である程度作業量を短縮できる場合もあります。しかし例えば企画・ゲームバランスの調整・デバッグなどは個人開発の場合は人任せにするわけにはいかないので、やっぱり作業量が多くて大変だということには変わりありません。
意外と作りたいゲームを作れない
次に二つ目は、意外かもしれませんが自分の作りたいゲームをなかなか作れない点です。
…こう書くと「え、自分の作りたいゲームを作れるのが個人開発でしょ?!」と思う方がいらっしゃるかと思います。しかし現実はどうかというと、個人開発って
- 作りたいゲームの理想をどうしても高く持ってしまう
- しかしそれを実現するための技術もなければ時間・労力もない
- なので結局、自分が作れる範囲のしょぼいゲームを渋々作る
ということになってしまいがちなんですよね。個人で作れば作りたいゲームを好きなだけ作れるんじゃないか、と思う方が多いのですが、それは一部の才能ある人が個人開発した場合の話であって、私のような凡人の場合は自分の非力さに直面し・自分でできることのちっぽけさに打ちひしがれるだけです。
モチベーションが続かない
三つ目はゲーム開発のモチベーションがなかなか続かない点です。
先ほどもお話しした通りゲーム開発はやるべきことが多いので、安定して開発を続けるためにはモチベーションを一定に保てることがとても重要になってきます。しかし一人で黙々とゲームを作っていると
- 本当にこんなことをやっていていいのかな…。もっと他にやるべきことがあるんじゃないか?
- 他の人はすごい進捗を公開してたくさんいいねをもらっているのに、自分はダメだなぁ
- 仮にゲームが完成したとして、果たして遊んでもらえるのだろうか?
などなど色々な不安が押し寄せてモチベーションに悪影響を与えてきます。…こんな時に開発者仲間とかゲーム開発に理解のある家族とかがいればいいのですが、私のように人に恵まれず本当に孤独に開発していると時々気が狂いそうになります。このような状態ではモチベーションが安定せず、開発がますます難航するのはつらいと言うほかありません。
頑張って作ったゲームが売れない・儲からない
さて四つ目は、頑張ってゲームを完成させても売れないし儲からない点です。
まず個人開発ゲームというと一発当てれば大儲けできそうなイメージをお持ちの方が多いかと思います。しかしそれは本当に一握りの成功者の話であって、実際は99.9%のゲームはかすりもしません。つまり全く売れないし儲かりもしないというわけです。
ゲームが売れない理由については以下の記事で詳しく説明しているのでここでは省略しますが…
とりあえず個人開発ゲームに限って言うと
- 無名な個人がいくら宣伝してもほとんどの人に認知すらされない
- 見た目がショボくなりがちなので、もし認知されてもスルーされてしまう
- 加えてライバルは多く競争は激しい
といった感じなのでほとほと嫌になってきます。苦労してゲームを作っても金銭的な見返りを期待できないのはつらいですね。
ゲームに低評価をつけられたり、文句を言われたりする
最後に五つ目は、ゲームを作って公開するとゲームに容赦なく低評価をつけられたり、難癖や嫌味のような文句を言われたりする点です。
個人でゲームを作っていると、楽しんでもらえるかなと思ってドキドキしながら公開したゲームがボロクソに言われてしまうことが割とよくあります。そして個人開発だと多くの作業を自力でやるわけですから、そういう評価は全部ダイレクトに自分に突き刺さるわけでダメージは甚大です。
…まあ、もちろんプレイヤーから酷評されるということはゲームにも何らかの落ち度があるんだろうなとは思いますし、もしそうであれば開発者としては真摯に受け止めて反省する必要があるのは事実です。しかしプレイヤーさん側にも
- よくわからんけどイライラして暴言を吐く
- 無料のゲームにも上から目線で難癖を付けてくる
といった困った人が多く、こちらとしてもなかなか真摯に受け止めにくい(というかまともに受け止めたら精神的に死ぬ)場合があるので大変ですね。絵や音楽といった創作だと下手でもスルーされてしまうだけでそういう事態はあまりないかもしれませんが、ゲームの場合は下手なものを出すと色々言われるのでその辺は厄介だと思います。
それでも私がゲーム開発をやめない理由
さて、ここまでの内容で個人ゲーム開発のつらさは何となくご理解いただけたと思いますが、それでも私はゲーム開発をやめるつもりは全くない…というか多分やめたくてもやめられません。それはなぜかというと単純にゲームを作るのが好きだからです。
やはり自分で考えたゲームをたった一人で作り上げ、実際にキャラクターが動くようになるのは嬉しいですし、ゲームを作れば作るほどゲームシステムやプログラムも洗練されていくので改善欲を満たすのも楽しいです。また、ゲームを公開したときにプレイヤーさんから褒めてもらえたりするともうニヤニヤが止まりません。
このようにゲーム開発では上手くいった時に得られる幸福感もまた絶大です。特にゲーム開発の場合は嬉しい時とガッカリするときの落差が激しく、それゆえ嬉しい時の快感が余計に引き立つのでそれを味わうともうやめられなくなるんですよ。「あぁ~また気持ちよくなりてぇ~!」って感じで常にゲーム開発のことを考える癖がついてしまっています。…正直ヤバいですよね。ゲーム開発依存症かもしれませんね。
おわりに
以上、個人ゲーム開発のつらさや大変さについて一通りご説明しました。
ゲームの個人開発はまさにイバラの道であり、かなり大変だということを少しでもご理解いただければと思います。ただし先ほども書いた通り、個人開発はつらいことばかりではなく楽しいこと・嬉しいことも色々あるのでその点も併せて知って頂ければ嬉しいです。
あと、ついさっきまで「疲れた」とか「もうダメだ」とか思っていましたが、こうして記事にしてみると気持ちが整理されてまたゲーム開発頑張ろうという気持ちになりました。皆さんも最後まで読んでくださってありがとうございます。大変励みになります。
この記事がゲーム開発初心者の方にとって何かしら参考になれば幸いです。