今回は自作ゲーム等の販売促進に関する話題で、タイトルの通り
BOOTHで自作ゲームやゲーム用素材などのダウンロード商品を売るときに知っておくといいこと
を一通りまとめてみるという内容になっております。
BOOTHとはピクシブ社が運営する「クリエイター向けのオンラインマーケット」です。私は2021年ごろからBOOTHを活用しており、主にシェーダーをはじめとするゲーム用素材を多数販売してきました。ありがたいことに私の商品はご好評をいただいており執筆時点でフォロワーさんの数は840人・総売上げは32万円ほどとなっています。
ただ私は運よく小遣い稼ぎ程度の収益を得られていますが、BOOTHで商品を出品している方のほとんどは全く商品が売れていないのではないかと私は推測しています。なぜかというとBOOTHの仕組み上、目立っているほんの一握りの超人気商品ばかり売れるようになっているからです。
そこでここでは私の知る限りの販売ノウハウを一挙公開し、BOOTHで自作ゲーム等のダウンロード商品を売るときのコツをご紹介していきますね。
【注意】
- 私はダウンロード商品しか販売した経験がないので、ここではダウンロード商品の販売ノウハウに絞って書いています。グッズ販売などの場合はまた少し勝手が違ってくるかもしれません。その場合はあくまでも参考程度になさってください。
- 私は別にウハウハになるほどBOOTHで稼いでいません。したがって下記の内容はあくまでも「脱初心者レベルになりたいクリエイターさん向け」程度の情報だと思って読んでください。本気で稼ぎたい人は他所の情報をあたったほうがいいと思います(※でも怪しい情報には気をつけてくださいね)。
BOOTHとは?
まずはじめに、BOOTHとはピクシブ社が運営しているクリエイター向けの総合マーケットです。
詳しいことは公式サイトをご覧いただきたいのですが…ザックリ言うとあらゆるタイプの創作物や素材が配布・販売されている、オンラインショップの集合体みたいなものです。
ピクシブのアカウントがあれば購入も出品も簡単で、一般のお客さんだけでなく特にクリエイターの皆さんにとても人気があります。
BOOTHで出品する場合のメリット・デメリット
BOOTHのメリット
さてそんなBOOTHで出品するメリットは色々あります。主なものを挙げると次のとおりです。
まずBOOTHは商品が売れたときに徴収される手数料が安いです。具体的には、手数料は下記の計算式で算出されます。
商品価格×5.6%+22円
例えば1000円の商品を販売したときの手数料はたったの78円(7.8%)です。他の販売プラットフォームだとひどいところでは40%以上の手数料をふんだくるところがありますが、それと比べると破格の手数料だといえますね。
それからBOOTHにはBOOSTといって、売り手が指定した金額よりも多くのお金を買い手が上乗せして支払える機能があるのもいいところです。例えばファンの方がチップ的な感覚でBOOSTしてくれることがありBOOSTしてもらえるととても嬉しいです。
あとBOOTHでは審査が無いので気軽に商品を販売したり、販売中の商品を即座に更新したりすることができます。審査があるプラットフォームだと販売開始までに待たされたり、商品の更新に手間がかかったりして面倒なので手軽さという点ではやはり審査がない方がいいです(※もちろん審査がないからといって規約違反になるような商品のアップロードは絶対にダメです。規約はちゃんと読みましょう)。
その他細かい点ですが、BOOTHでは利益の受け取り方法が銀行振り込みとPaypalの2種類が用意されています。このうちPaypalで利益を受け取るようにすると振込手数料が無料になるのでお得です。BOOTHで出品する際は予めPaypalアカウントを用意しておくといいでしょう。
BOOTHのデメリット
一方、公平を期すとBOOTHにはそれなりのデメリットもあります。主なデメリットは次のとおりです。
まず致命的な欠点として、BOOTHは「お客さんが商品にたどり着くまでの導線に乏しい」点があります。
基本的にBOOTHで商品が人目に触れる機会は2つあります。一つはオススメ欄に掲載されること、もう一つはBOOTH内の検索結果に表示されることです。ただしこの2つは超人気商品を最優先で表示するようになっているので、無名クリエイターの商品とか「スキ!」(=他のサイトのいいねに相当するもの)があまりついていない商品が目立つことはまずありません。というか「まあまあ人気」程度の商品でもあんまり露出がないくらいです。
つまりBOOTHはその仕組み上、他の販売プラットフォーム以上に人気商品ばかりが売れるプラットフォームになっています。なので上手く商品展開しないと誰も商品を見てくれない→全然売れない…なんてことになってしまいます。この点は肝に銘じておくとよいでしょう。
それからもう一つ販売側として何だかやるせない気分になるのが、お客さんが商品を分けて買うと手数料が割高になることです。先ほど手数料の計算式を掲載しましたがあれは正確に言うと商品1点ごとに計算されるのではなく、1回のお会計に対して計算されます。
したがってまとめ買いをしてもらえると手数料が割安になる一方で、逆に商品を分けて買ってもらった場合は無駄に手数料を取られることになってしまうのです。特にダウンロード販売の場合はお客さん側は気軽に分けて買い物する場合が多いし、かといってこちらから「まとめ買いしてください」と言うのもなんか変なので、何度も分けて買うお客さんがいると「ああ…まとめ買いしてくれれば嬉しかったんだけどなぁ…」と何とも言えない気持ちになります。
あと、余談ですがBOOTHは1ファイルあたり1GBまでしかアップロードできません。何GBもあるような重量級の3Dゲームとかは出品できない点には注意してください。そういうゲームを売りたい場合はSteamなど別のプラットフォームの利用を検討しましょう。
BOOTHで自作ゲーム等のダウンロード商品を売る際のコツまとめ
さて前置きが長くなってしまいましたがここからが本題で、BOOTHで自作ゲームやゲーム用素材など(=要するにダウンロード商品)を売る際のコツを一通りご紹介します。主なコツは次のとおり。
- BOOTHで人気のジャンルについて知る
- まずは無料作品でフォロワーさんを増やす
- スクリーンショットをきちんと用意する
- 商品の説明文には必要事項を過不足なく・正確に・分かりやすく書く
- タグ付けを正確に行う
- お客様からの問い合わせには丁寧に対応する
- 定期的に新商品を出す
コツ1:BOOTHで人気のジャンルについて知る
まず一つ目のコツはBOOTHで人気のジャンルについて予め知っておくことです。
BOOTHには実に様々なジャンルの創作物が出品されていますが、大人気で売れまくっているジャンルもあれば不人気で売れにくいジャンルもあります。つまり売ろうと思えば何でも出品できますが売れるかどうかはその商品のジャンルによるところが大きいです。
例えば大人気のジャンルとしては
- VRChat用の3Dモデルとその関連商品(アバター、環境用の小物、シェーダー等)
- TRPG関係の商品
などがあります。逆に不人気なジャンルは
- PCゲーム
- 無名クリエイターのグッズ
などですね。
あの…身も蓋もない話をすると、この記事は「BOOTHで自作ゲームを売る方法」みたいなタイトルにしましたが、実はBOOTHではPCゲームは不人気なジャンルなので売上はあんまり期待しないほうがいいです。オリジナルのPCゲームも「無名クリエイターのグッズ」と同じようなもので正直買い手のメリットがあんまりないですし、特にゲームは実際にプレイしないと面白いかどうかがわからないので売れにくいんですよね。なんかすみません…。
ただ一方でゲーム用素材には一定の需要があるみたいです。実際私もUnity用のシェーダー屋さんをやっていて小遣い稼ぎ程度にはなっています。このことを考えると、ゲームに関係するものでお金を稼いでみたい!という方はゲーム用素材を販売してみるのがオススメです。
コツ2:まずは無料作品でフォロワーさんを増やす
次に二つ目のコツは、まずは無料作品でフォロワーさんを増やすことです。
以前はBOOTHで適当に商品を出していても売れていた時代がありましたが、最近はBOOTHの仕組みが変わったのか人気商品ばかりにスポットライトが当たるようになってしまいました。なのでBOOTHのフォロワーが全くいないクリエイターの方がいきなり有料の商品を売り出してもかなり売れにくくなってきたのではないかなと思っています。
そこでまずお勧めしたいのが最初は無料作品をリリースしてフォロワーさんを増やす方法です。ショップをフォローしてもらえれば新商品を出した時などにフォロワーさんに気づいてもらいやすくなるので、結果として露出が増え有料作品の売上に繋がります。
実はBOOTHのユーザーさんはショップを気軽にフォローしてくれる方が多いです。実際、某支援サイトなどでは100フォロワーもいかないような私でもBOOTHでは840人ものフォロワーさんがいます。つまりBOOTHはそれだけフォローしてもらいやすいプラットフォームなのです。
BOOTHでは良い商品を出していればフォロワーさんは右肩上がりに増え続けるので、最初は無料作品を軸に展開してフォロワーさんが増えてきたら有料作品も出品するようにするのがいいでしょう。
コツ3:スクリーンショットをきちんと用意する
三つ目のコツはスクリーンショットをきちんと用意することです。
これは「そんなの当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、実際のところBOOTHで買い物をしていると「モノは良さそうなのにスクショが悪くて買う気にならない商品」がたくさん存在しています。やはり商品の顔となるスクショはきちんと用意したほうがいいです。
BOOTH用にスクリーンショットを用意するコツは、1枚目だけは必ず正方形の画像を用意することです。なぜかというと1枚目はサムネイルとして商品一覧や検索結果に掲載されるからです。このとき長方形の画像だとはみ出て見えない部分ができてしまい見栄えが悪くなってしまうので、必ず正方形の画像にしてください。
あと、自作ゲームやゲーム用素材の場合は最低でも4~5枚程度のスクリーンショットを用意してどんな商品なのかが分かるようにしておきましょう。よくわからない商品は絶対に買ってもらえないという点を頭に叩き込み、分かりやすく見栄えの良いスクリーンショットを用意するようにしてください。また、ゲームの場合はスクショに加えて必ず動画も用意しておきましょう。
コツ4:商品の説明文には必要事項を過不足なく・正確に・分かりやすく書く
四つ目のコツは商品の説明文には必要事項を過不足なく・正確に・分かりやすく書くことです。
商品の説明文は出品者側としては軽視しがちですが、お客さんからしたら重要な判断材料になるので絶対に適当に書いてはいけません。特にお客さんが知りたい情報が書いていなければ簡単にブラウザバックされてしまいます。
「必要な情報」は商品やそのジャンルによって変わってくるため一概には言えませんが、例えば自作ゲームを売る場合なら
- ゲームの紹介文・主な特徴
- 想定プレイ時間
- 対応プラットフォーム・推奨環境
(どのOSで動くのか、どんなスペックが必要なのか、操作はマウスなのかゲームパッドなのかなど) - ゲーム実況の可否
といった項目は必須でしょう。また、ゲーム用素材の場合は
- 商品の特徴
- 内容物のリスト・個数・ファイル形式
- 商用利用・改変できるかどうか、大人向けゲームで使えるかなど
- 対応しているソフトやそのバージョン
- 利用規約
などを説明文に含める必要があります。あとトラブルを未然に避けるために「BOOTHではダウンロード商品の返品はできません」という旨の注意事項を書いておくといいと思います。
いずれにしても説明文はユーザー目線に立って「どんな情報が必要かな?」「この説明文は分かりやすいだろうか?」と考えて書くことが重要です。
コツ5:タグ付けを正確に行う
五つ目のコツは商品のタグ付けを正確に行うことです。
BOOTHでは商品にタグをつけることができます。このタグは検索のときに使用されるため露出を増やすためには正確なタグ付けが欠かせません。商品に合致するタグだけをしっかり選んで指定するようにしてください(※タグはたくさんつけることもできますが、つけすぎるとスパム扱いされるかもしれません)。
タグは自分で作ることもできます。しかし既にあるタグを使ったほうが圧倒的に検索されやすいのでなるべく既存のタグを指定するようにしてください。
コツ6:お客様からの問い合わせには丁寧に対応する
六つ目はお客様からの問い合わせには丁寧に対応することです。
BOOTHのショップを運営しているとたまにユーザーさんからお問い合わせをいただくことがあります。このとき、相手が「お客様」であればきちんと丁寧に対応することが何よりも重要です。ショップの信頼に関わるので絶対に適当に対応してはいけません。
これはあくまでも私の経験上の話ですがBOOTHのユーザーさんは全体的にかなり民度が高くクレームみたいな問い合わせは今までほとんど来たことがありません。なので自然とこちらも誠実に対応しようという気持ちになるのがいいところだと思います。
ただし海外ユーザーは別です。彼らは変な問い合わせをガンガンしてきたり、レスポンスがかなり悪かったりするので気をつけたほうがいいです。例えば以前「お前んとこのシェーダーが動かないんだけど?」という英文一行だけの問い合わせをしてきた外人がいたので、「どういった状況で動かないのか具体的に書いてください。そうしないとサポートのしようがありません」とすぐに返信したらなんと一か月後に「いや、動かないんだけど??」と返してきた奴がいました。こういう奴は真面目に対応するだけ無駄なのでお客様とは思わず毅然とした対応をした方がいいです。
コツ7:定期的に新商品を出す
最後に七つ目のコツは定期的に新商品を出すことです。
BOOTHでは新商品を出すとフォロワーさんに気づいてもらいやすいので、フォロワーさんがある程度増えてきたら定期的に新商品を出すことで露出を増やすことができます。また定期的に新商品が出ると「このショップのオーナーは精力的に活動しているんだな」と思ってもらいやすくなりフォロワーさんからの注目度が高まります。コツコツと地道に活動して商品の数を増やしていくとよいでしょう。
おわりに
以上、BOOTHで自作ゲーム等のダウンロード商品を売る際のコツをまとめてご紹介しました。BOOTHは上手く使えばそれなりに稼げるマーケットなので、ぜひ上記のコツを参考にしていただき売れる商品を作って頂ければと思います。
この記事が何かしら参考になれば幸いです。