今回はゲーム開発とお金に関する話題で、夢のない話で恐縮ですが
という内容です。
まず個人ゲーム開発というと一発当てれば莫大な利益を得られるイメージがあると思います。なので
- 自分も一山当てて儲けたい
- 好きなゲームを作りまくって生きていきたい
などと思う人がゲームを作り始めるパターンは結構あるのではないでしょうか。
しかし身も蓋もないことを言うと個人開発ゲームで儲けるのはとても難しいです。というのは、そもそも思い描いたゲームが完成しない可能性があるし、仮に完成したとしても様々な理由で売れないからです。
それでゲームが完成しない理由については以下の記事
に詳しく書いたので、今回はゲームが売れない理由について書いていきますね。
【注意】
- ここでは課金で稼ぐタイプのゲームについては言及しません。昔ながらの買い切りゲームに関する話です。
- 見ての通り無名のゲーム開発者が勝手に書いているだけで、成功者の立場から書いているわけではないので「ここを改善すれば売れる!」などと言うつもりはありません。話半分に読んで頂ければと思います。
そもそも、どういう時に「ゲームが売れる」のか?
さてまずはゲームが売れない理由がどうの…という前に、そもそも「買い手はどんな時にゲームを買うのか?」という条件を整理しておきましょう。
主な条件は次の4つがあり、そのすべてを満たす必要があると思います。
- ゲームが買い手に認知されている
- ゲームが買い手の需要にマッチしている
- ゲームの価格が買い手の想定より安い
- 安全かつ簡単に決済できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
条件1:ゲームが買い手に認知されている
まず一つ目の条件はそのゲームが買い手に認知されていることです。
すごく当たり前の話をしますが、あるゲームを買うためにはそのゲームの存在を知っている必要があります。したがって買う・買わない以前に「こういうゲームがある」ということを認知してもらわなければなりません。
条件2:ゲームが買い手の需要にマッチしている
次に二つ目の条件はそのゲームが買い手の需要にマッチしていることです。
例えば、今RPGを探している最中の人にFPSをお勧めしてもあまり良い返事はもらえないでしょう(※もちろん気が変わる可能性はあると思いますが)。このように買い手が「今欲しい!」と思っている(もしくはそう思わせる)ゲームでなければなかなか買ってもらえません。
条件3:ゲームの価格が買い手の想定より安い
三つ目の条件はそのゲームの価格が買い手の想定より安いことです。
世の中の多くの人は、実際の値段が想定よりも高い場合はほとんど買いません。高ければスルーされるか、仮に欲しいと思ってくれた場合も「セールまで待とうかな」と思われてしまうだけです。
したがってゲームの価格が買い手の想定よりも安いことはかなり重要だと言えます。
条件4:安全かつ簡単に決済できる
最後に四つ目の条件は(意外と見落とされがちですが)安全かつ簡単に決済できることです。
上の条件をすべて満たしたゲームであっても、例えば購入先が怪しいサイトだったら思わず買うのをためらいますよね?あといちいち情報を入力する必要があったりするのも面倒で購買意欲を削いでしまいます。なので安全・簡単にゲームを買える方法があるのも地味に重要です。
ほとんどの個人開発ゲームが思うように売れない理由
ではここからが本題ですが、上記の条件を踏まえて個人開発ゲームが売れない理由を考えてみると次のようなものがあります。
- 宣伝が弱いから
- 需要にマッチしていないから
- 見た目がショボいから
- ライバルが多いから
- 信用度が低いから
理由1:宣伝が弱いから
まず一つ目の理由は何といっても宣伝が弱いからです。
個人開発の場合は宣伝に回せる労力や資金が無かったり、広告手段に乏しかったりするので効果的にゲームを宣伝するのが難しいです。その結果としてゲームのことを買い手に認知してもらえないのでせっかくのゲームも売れないままになってしまいます。
一応、この場合の対策としては
- SNSでバズるような宣伝方法を考える
- パブリッシャーと契約して宣伝してもらう
- 大手ゲーム系メディアにプレスリリースを送付する
といったものが考えられますがそれらもハードルが高い感じは否めません。何か他にいい宣伝方法があれば良いのですが。
いずれにせよ、個人開発ゲームが売れるようにしたいのであれば「どうやったら効果的に宣伝できるか?」をよく考えるべきでしょう。
理由2:需要にマッチしていないから
次に二つ目の理由は需要にマッチしていないからです。
個人開発ゲームの強みというと大手メーカー製のゲームにはない「独創性」「尖った感じ」だと思います。しかし独創性が強いということはその分人を選びがちなわけで、大衆の需要とマッチしない場合が多いです。したがってこの段階で買い手はかなり絞られてしまいます。
まあそれでもニッチな需要に応えるゲームであれば良いのですが、尖り方が足りなかったり、あらぬ方向に尖っていたりすると誰の需要にもマッチしないゲームになってしまう可能性があります。このような場合はゲームが売れず頭を抱えることになるかもしれません。
理由3:見た目がショボいから
三つ目の理由は見た目がショボいからです。
個人開発ゲームの場合は絵作りに割ける労力等が限られているので、どうしても見た目がショボくなりがちです(これは特に3Dゲームで顕著です)。そして見た目がショボいと買い手は「このゲームはクオリティが低そうだな…」と不安になりますし、商用ゲームのグラフィックに慣れたゲーマーであれば「もっときれいなグラフィックのゲームで遊びたいなぁ」と思うことでしょう。かくして見た目がショボい個人開発ゲームは多くの人にスルーされてしまいます。
まあ見た目のショボさを上手いこと個性に昇華させているゲームもたまに見かけるのですが、ほとんどの個人開発ゲームはそんなに上手くいっていないように感じるのも事実です。なのでもしゲームをガッツリ売りたいのであれば、ゲームの見た目を良くするための努力は欠かせないと思います。
理由4:ライバルが多いから
四つ目の理由はライバルが多いからです。
今はちょっと勉強すれば誰でもゲームを作れる時代なので当然ながらライバルが多いです。そして悪いことに、個人開発ゲーム市場は数少ない買い手を大勢で奪い合うような構図になっていると思います。
このような状況では「少し優れた程度のゲーム」では見向きもされないので、ゲームが売れるようにしたいなら何かライバルを蹴散らせるような圧倒的な強みが必要になります。さもないとゲームはあっという間に埋もれてしまうでしょう。
理由5:信用度が低いから
最後に五つ目の理由は個人ゲーム開発者は信用がないからです。
例えばの話ですが、世の中には「任○堂が販売しているゲームだから買う」という人はかなり多くいると思います。それはなぜか?「任○堂のゲーム=面白い」という揺ぎない信用(=ブランド力)があるからです。
しかし売り手が無名の個人ゲーム開発者だったらどうでしょうか?もちろん信用なんてものはありませんよね。したがって買い手は必ず「この人が作ったゲームは本当に面白いのか?」と疑ってかかります。そして疑いが晴れるまで絶対に買ってもらえないので、この疑いこそが個人開発ゲームが売れるまでのハードルを大きく押し上げていると私は思います。
では信用がない場合はどうすれば買ってもらえるのかというと、面白そうに見えるように工夫し、疑念を払拭するしかありません。なかなか大変なことですが地道にやっていきましょう。
おわりに
以上、ゲームが売れる条件や個人開発ゲームが売れない理由について個人的な考えを書いてきました。こうして整理してみると個人開発したゲームで稼ぐのはかなり難しいように思います。本当に夢のない話で申し訳ない…。
まあ上記のようなことを踏まえると「稼ぎたいからゲームを作る」のも決して悪くはないけど、結局は作りたいゲームがあるからゲームを作るほうが幸せになれるのではないでしょうか。
この記事が何かしら参考になれば幸いです。